出版社内容情報
貧困については、原因とその対処法、子ども・高齢者・非正規(特にシングルマザー)の貧困の実態、生活保護制度と社会保障制度の境界を探る。格差については、教育・所得・雇用・社会保障・住宅の格差の実態とその是正策を探る。さらに貧困解消と格差解消は同時並行的に行えるのか、優先順位はあるのか。これらの課題に社会福祉・社会保障の専門家が大胆に提案する。
内容説明
今日の日本に広がり続ける困窮と孤立。誰も転げ落ちることがない社会に向けて、生活保障の新しいアプローチを提起。全労済協会の研究会による新福祉社会構想。打開の道をいかに切り開くか?
目次
序章 困窮と孤立をふせぐのはいかなる制度か?
第1章 標準家族モデルの転換とジェンダー平等―父子世帯にみる子育てと労働をめぐって
第2章 新しい居住のかたちと政策展開
第3章 住宅とコミュニティの関係を編み直す
第4章 相談支援を利用して「働く」「働き続ける」―中間的なワーク・スタイルの可能性と課題
第5章 支え合いへの財政戦略―ニーズを満たし、財源制約を克服する
第6章 子どもの貧困と子育て支援
第7章 若者の未来を支える教育と雇用―奨学金問題を通じて
第8章 脱貧困の年金保障―基礎年金改革と最低保障
第9章 高齢期に貧困に陥らないための新戦略
終章 鼎談:「転げ落ちない社会」に向けて
著者等紹介
宮本太郎[ミヤモトタロウ]
1958年生。中央大学教授。政治学、福祉政策論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
29
格差と貧困が深刻化している。どうすれば貧困に転げ落ちない社会の仕組みをつくれるのか。現状と課題を示しつつ、方向性を探っている。財源論に迷いが見られるが、学ぶ点は多かった。2019/11/18
Mc6ρ助
7
官僚が無為であったわけではないし、学者が現状を正しく認識しているであろうことはよく分かった。しかしながら、今さら、『男女雇用機会均等法ができた1985年当時から求められてきた「男女ともに仕事と家庭責任を担う社会」、「男女共 同参画社会」「ワーク・ライフ・バランス社会」は未だ実現していない。超少子・高齢、人囗減少が 進展するなかで、政府が早急に取り組むべき課題であると考える。(p234)』とは我々は30年間を失ったとしか思えない。2018/03/23
takao
2
ふむ2023/06/11
mambo_no5
0
これからの社会保障のあり方について、住宅、就労、財政、教育などの視点からの議論をまとめた論文集。各章の内容が非常に濃く読み応えがあった。終章の鼎談で「自立は連帯に根ざしているもの」とあり、行きすぎた個人主義を転換し、連帯意識を高める政策の必要性を感じた。2018/02/12




