出版社内容情報
〈良い校長〉になるための要素を示すロードマップは、ブラックボックス化した管理職登用を透明化し公平公正に変えるように見える。だが、教員たちの文化様式である「一任システム」を崩壊させ、女性校長の育成や登用、さらには教育全体に負の効果をもたらす。本書は、インタビューやデータを通して実態を分析し、改善の方策を考える。
内容説明
教育界の「女性活躍」を阻むのは、大胆な教育改革である。教員のキャリア形成や管理職養成を「見える化」する教育政策の行く末を問う。
目次
序章 教育改革下の学校管理職とジェンダー
第1章 世界と日本の女性校長の現状とリーダーシップの特徴
第2章 学校管理職のキャリア形成
第3章 一任システムと見定め
第4章 新たな管理職育成システムの課題―管理職選考試験の受験資格と女性校長
第5章 ジェンダーの視点で見る学校管理職養成システム改革の現在―「一任システム」の崩壊と課題
終章 女性校長は増えるか
著者等紹介
河野銀子[カワノギンコ]
1966年生まれ。上智大学大学院教育学研究科博士後期課程満期退学。修士(教育学)。現在、山形大学学術研究院教授(地域教育文化学部主担当)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
48
長男の参考文献を拾い読み。公立高校初の女性校長誕生の1948年から、50年強での”全国制覇”。様々なデータによる裏付けで現実を描写。旧態依然の仕組みと体質は、一昔前は業界を問わずの病。一方、管理職に拘る必要もない現代。選択肢を広げると共に、”選択”となるべく土壌形成は必須。長男から読後の感想を聞かれ、べき論と現実論を私の業界経験で語る・・・。嗚呼子供の成長を感じる。2018/02/08
nako*beary
0
学校(特に公立高校)における日本の女性管理職の少なさの原因を、管理職登用のあり方に着目して分析された本。これまではブラックボックス化しやすい「一任システム」が多かったが、登用条件を「見える化」する方向に変わってきている現在の動向は果たして女性管理職を増やすことにつながるのか。管理職のキャリア形成規格化は、男性を標準としているというしてきがおもしろかった。2021/04/09