コスメの時代―「私遊び」の現代文化論

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コスメの時代―「私遊び」の現代文化論

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  • サイズ B6判/ページ数 181,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326653386
  • NDC分類 383.5
  • Cコード C3036

出版社内容情報

はしがき

序 章 ファッションの八〇年代から化粧の現代へ
 1 ファッションから化粧へ
 2 プリクラ、ケータイ、インターネット
 3 サブカルチャーとしての化粧

第一章 少女の消滅――オリーブ少女からコギャルへ
 1 「メークの天才」を目指す小学生
 2 オリーブ少女という文化
 3 コギャルと化粧
 4 ロマンティックから「今、ここ」へ

第二章 物語の終焉――教養小説からキャラクター小説へ
 1 二〇〇七年創刊『AneCan』を読む
 2 八〇年代『an・an』を読む
 3 九〇年代『JJ』を読む
 4 教養小説からキャラクター小説へ

第三章 個性神話の崩壊――コム・デ・ギャルソンからユニクロへ
 1 デザイナーは読者モデル
 2 コム・デ・ギャルソンという神話
 3 ユニーク・クローズ?
 4 個性服から制服へ

第四章 フラット化する「私」――「毒(プワゾン)」から「ヤングセクシーラブリー」へ
 1 「ヤングセクシーラブリー」な現在
 2 八〇年代の「毒(プワゾン)」
 3 幻の水を求めて
 4 フラット化する「私」

第五章 一億総オタク化社会――モノ語りの人々からコスメフリークへ
 1 化粧に捧げる二四時間
 2 着ることは生きること
 3 ファッション・センスから「ビューテリジェンス」へ
 4 化粧に萌える女たち

終 章 私探しから「私遊び」へ
 1 自己表現から「萌え」へ
 2 「私遊び」としてのコスメ
 3 私探しから「私遊び」へ

あとがき
参考文献
索引

内容説明

80年代がファッションによる私探しの時代ならば、90年代以降は化粧による「私遊び」の時代である。…日替わりでさまざまな「私」になり、いくつものキャラになりきることで、「私」を着替え、「私」で遊ぶことが求められている。化粧はそのための最適な手段なのである。モノで私を表現する時代から、モノのように「私」を遊ぶ時代へ。本書では「私遊び」としての化粧を通して、まさに着せ替え人形のように今を生きる「私」の姿を浮き彫りにする。

目次

序章 ファッションの八〇年代から化粧の現代へ
第1章 少女の消滅―オリーブ少女からコギャルへ
第2章 物語の終焉―教養小説からキャラクター小説へ
第3章 個性神話の崩壊―コム・デ・ギャルソンからユニクロへ
第4章 フラット化する「私」―「毒」から「ヤングセクシーラブリー」へ
第5章 一億総オタク化社会―モノ語りの人々からコスメフリークへ
終章 私探しから「私遊び」へ

著者等紹介

米澤泉[ヨネザワイズミ]
1970年京都市生まれ。大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得退学。現在、甲南女子大学人間科学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ののまる

9
今の時代から読むと、え。そうかな?と、思うところが多々あるくらい時代は進んでいるなあ。まだ韓国コスメもでてきていない時だし、いまや整形も肯定派が多いくらい。2019/05/07

らむだ

1
メディアの側と実際に身に纏っている人たちの側の両方の視点から服飾・化粧文化を捉えているので、基本的にバランスのとれた評論となっている。著者の言う“私探し”から“私遊び”への変遷はよく押さえられていてわかりやすかった。現代文化論としては少し弱い気もするが、八十年代・九十年代の服飾・化粧文化の総論としては良くまとまっていて、読みやすかった。 ※上野千鶴子、東浩紀、鷲田清一2014/06/28

Masahide Sawaki

0
「私」を使って遊ぶ時代。ブランドの服を着ることでではなく、「私」というキャラを作り上げて変身願望を満たすというのが分かりやすかった。そしてそのキャラを引き立たせるためのリアルクローズ。この本が書かれてから数年が経つが、今でもリアルクローズの魅力は衰えることを知らない。しかし、自分を磨くことに関してもどこか興味を失いつつあるように思える。その理由は近年のガバチョやデカTなどの体型を隠す服だ。キャラを身につけず、自分がキャラになりもせず、いったいどこへ向かっていくのだろうか。メイクと被服の相関がよく分かった。2016/06/14

koillmatic

0
米澤さんは中学高校はオリーブ少女で、大学院時代は25ans派の叶姉妹フリークだったらしい。その後も化粧にはまりつづけているようで、そもそも米澤自身がそういうオシャレに没入したコスメ女なのである。 したがって、米澤氏が書く「コスメ感覚」はぴったり彼女自身の同時代史に重なっており、だからこそ説得力がある。2015/01/14

penguin

0
図書館。70年代以降のファッション文化史としては非常にまとまってます。ただ、オタク文化については若干違和感を感じます。 「コスメフリーク」の行動様式や目的は「お人形遊び」を経験していた人には理解できます。が、果たしてそれを「私」に置き換えられて本当に「萌え」れるのか?とちょと考えてしまいます。2011/03/27

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