出版社内容情報
国立国際医療センター設立までの過去のプロジェクトの問題点、今後のプロジェクトのあるべき姿を、常にその機軸にいた著者の実体験から赤裸々に語る。
保健医療面の国際協力は相手国の国民の健康状態の改善や病気の治療に役立っているか、使われた金額にふさわしい効果を挙げているかについては問題があった。本書は保健医療面のプロジェクトを数多く体験し、それらの総括的批判を述べた稀有の書である。
序章 ベーシック・ヒューマンニーズに応える国際協力
第一章 過去編(陰の部分)
一 ハイジャックで始まった国際協力
二 国際学会で始まる協力プロジェクト
三 ボリビアで行われた不思議な国際協力
四 ひとつの国全体の保健医療協力を見る─バングラデシュの場合
五 日系移民のいる国への医療協力
第二章 陰から光への胎動
一 保健医療面における国際協力拠点作りの動き
二 国際協力部の発足
第三章 光を求めて経験を積む
一 具体的協力の開始
二 緊急事態への対処
三 様々なプロジェクトを手がける
第四章 見えてきた光─国立国際医療センターの設立
一 国立病院の統廃合とセンター化
二 センターの名称と問題点
三 機構の変化
四 厚生省からの研究委託費支給
五 アドバイザーの派遣
第五章 様々な国際協力の形
一 二国間協力と多国間協力─JICAとWHO
二 国連の狭間にある国際機関、国際下痢性疾患研究所(ICDDR,B)
三 ある途上国宗教団体の保健医療活動
四 文部省、大学の国際協力、大学医学部の国際保健学科の新設増加
五 厚生省の国際協力
第六章 これからの国際協力
一 保健医療のODA予算執行のイニシアチブはどこにあるのか
二 官僚依存型国際協力の問題点
三 国内の人材育成の重要性
四 世界における疾病構造の変化
年表
あとがき
内容説明
国立国際医療センター設立まで―そこには元厚生省局長、著者しか知りえない真実があった。
目次
第1章 過去編(陰の部分)
第2章 陰から光への胎動
第3章 光を求めて経験を積む
第4章 見えてきた光―国立国際医療センターの設立
第5章 様々な国際協力の形
第6章 これからの国際協力
著者等紹介
我妻尭[ワガツマタカシ]
1955年、東京大学医学部卒業。1957年、東京大学助手。1962年から1966年まで、London大学ならびに米国Johns Hopkins大学に留学。1966年、帰国後、愛育病院産婦人科部長を経て、東京大学産婦人科講師、助教授。1976年より国立病院医療センター産婦人科医長。1986年より同国際医療協力部長。1993年、国立国際医療センター設立に伴い、同センター国際医療協力局長に昇任。1995年、定年退職。現職は、(財)国際協力医学研究振興財団理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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