出版社内容情報
母に還元されえない女,人間=男にもならない女とその属性である〈女性的なもの〉。現代フランスにおける女性解放思想の極地。
【目 次】
鏡、その向こう側から
ひとつではない女の性
精神分析理論再考
言説の権力、女性的なものの従属
コジ・ファン・トゥティ
流体《力学》
質問録
女の市場
商品たちの間の商品
《フランスの女たちよ》、もう何の努力もしないで……
わたしたちの唇が語りあうとき
日本語版への著者あとがき
訳者解題
内容説明
母に還元されえない女、人間=男にもならない女とその属性である〈女性的なもの〉。現代フランスにおける女性解放思想の極北。
目次
鏡、その向こう側から
ひとつではない女の性
精神分析理論再考
言説の権力、女性的なものの従属
コジ・ファン・トゥティ
流体《力学》
質問録
女の市場
商品たちの間の商品
《フランスの女たちよ》、よう何の努力もしないで…
わたしたちの唇が語りあうとき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nranjen
6
大学図書館本。この本は書かれたのが1970年代で訳されたのが1980年代で、読んでいて40年間でジェンダーに対する姿勢がだいぶ変わったものだと改めて認識。しかしながら今頃になってもフロイトーラカンの正直言って勘違いも甚だしい理論をぶちかます人が存在しているのも確か。困ったことだ。当時はその勢いが今よりもどんなにか強かっただろう…。家父長制に対する批判の根幹は、マルクス・エンゲルスのいうの他人の労働を自分のものとして扱うことにあるという理論に触れられてよかった。家父長制の基本的理解が可能になった気がする。2021/01/29
ルンブマ
3
p.24「女の自体愛は男の自体愛とはきわめて異なっている。男は自己に触れるのに手や女性性器や言語…などの道具を必要とする。…が、女の方は、媒介を必要とせず、また、能動と受動とのあらゆる可能な区別以前に、自己により、自己の中で、自己と触れあう。女は絶えず《自己と触れあって》おり、しかも、それを禁じることはできない。というのも、女性性器は絶え間なく口づけしあうふたつの唇でできているからである。だから、ひとりの女において、女はすでにふたり、しかし、ひとりずつに分離できない、愛しあうふたりなのである。」2022/05/20
ヤマニシ
1
「女にとって、自己の(再)発見とは、自己のいかなる快感をも他者のために犠牲にしないこと、いかなる特定の快感にも自己同一化しないこと、単なるひとつに決してならないこと、などの可能性以外は意味しえないだろう。」(p34)2024/04/23
べ
1
「言説の権力、女性的なものの従属」「《フランスの女たちよ》、もう何の努力もしないで」 男性による女性同性愛のポルノ消費、他者としての男性について語るべきは男性であること、平等と差異の引き裂かれ……基礎的な事項が詰まっていた。難しくてたぶん理解できてないことのが多いけど、手元に置いてまた見返したい。2022/01/17