内容説明
女はしゃべりすぎるのか?女ことばは劣っているか?〈言語における性差別〉を緻密な実証で告発する戦闘的フェミニストの話題作。
目次
序章 家父長制はなぜつづく
第1章 言語と性差研究の現状―信ずべきか信ぜざるべきか
第2章 誰が女に沈黙を押しつけているのか
第3章 支配者と無言者
第4章 女のおしゃべり―家父長制が恐れるもの
第5章 言語と現実―世界観をつくったのは誰か
第6章 女と書きことば
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒナコ
2
言語体系、言語使用、両側から家父長制の分析を試みたフェミニズムの古典である。英語の構造の中に性差別があるという告発はman/womanにおける非対称性など、ややベタなものが多いので、言語使用の分析に焦点が示唆を多く含んでいたと思う。男の方が会話において喋っているという発見、さらには女がおしゃべりであるという偏見は、沈黙した女との比較で成立しているという概念の発見はなかなかスリリングで挑発的だ。話し言葉、書き言葉の両方で女の沈黙が構築される場面を的確に描写していると感じた。2016/12/27