内容説明
標準的なライフコースを可能とした経済成長、人口構造、家族の在り方といった社会条件が崩壊して久しい。韓国では家族の扶養機能が道具的家族主義として、生存戦略に活用されてきた。若者のライフコースの不安定性が高まる中で、親子間支援が若者の人生に及ぼす影響の実証的な把握を行うことは、同じ家族主義的な福祉レジームに分類される日本にとって経験の先取りともいえ、家族と社会における若者支援の在り方を検討するための手がかりとなる。本書では、韓国の成人期移行遅延と親子間支援の実態を明らかにし、両者の関係を検証することで、家族主義社会における成人期移行の困難と支援の在り方を問う。
目次
序章 問題の所在
第1章 理論的背景―成人期移行プロセスの理解
第2章 現代韓国社会における成人期移行の遅れと特徴
第3章 韓国における親子の世代間支援関係
第4章 現代韓国社会における「大人になる」条件と時期
第5章 現代韓国社会の若者への家族内の世代間支援
第6章 現代韓国社会における親からの支援が成人期移行に与える影響
終章 韓国の若者のライフコースと親子間支援―成人期移行における困難と家族主義の影響
著者等紹介
新藤麻里[シンドウマリ]
2020年 東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了、博士(学術)。現在 東京大学社会科学研究所助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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