出版社内容情報
批判理論の文脈で解釈されることが多かったポジショナリティ論を社会学の伝統的な系譜に位置づけ,共通認識を形成することを目指す。
ポジショナリティをめぐる深刻な齟齬や係争──抑圧が再生産される構造を問う議論が個人的なアイデンティティや選択を問題にされていると取られるような──はなぜ,どのように起こるのか。本書はポジショナリティについて,社会学,とくにコロニアリズム研究とジェンダー研究の領域を念頭に,その概念と諸論点を検討するものである。
内容説明
ポジショナリティ論を社会学の伝統的な系譜に位置づける。ポジショナリティをめぐる深刻な齟齬や係争はなぜ、どのように起こるのか。社会学、コロニアリズム研究、ジェンダー研究、心理学、歴史学、教育学などさまざまな学問分野で用いられている「ポジショナリティ」の概念と諸論点を社会学的に検討、共通認識を形成することを目指す。
目次
ポジショナリティの射程
ポジショナリティの系譜(1)―ジェンダーを基点として
ポジショナリティの系譜(2)―集団責任を基点として
ポジショナリティの認識構造
ポジショナリティと集団の責任
ポジショナリティにかかわる解消責任
ポジショナリティと「心性としての植民地主義」
ポジショナリティへの攪乱手法
ポジショナリティと対話の諸条件
ポジショナリティと“取引請負人”
ポジショナリティにおける“取引請負人”をめぐる諸問題
ポジショナリティと被投性
ポジショナリティの意義と課題
著者等紹介
池田緑[イケダミドリ]
2000年慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程単位取得退学。現在、大妻女子大学社会情報学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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