出版社内容情報
常民にとっての〈日本〉の近代とは? 太平洋戦争前後の思想と大衆文化から、名もない人々が生き継いだ空間を生き返そうとする試み。
太平洋戦争から現代に至る「近代化」のプロセスにおいて、人々はいかに〈日本〉というナショナリティを生きたのか。戦争と敗戦から照射された「死」と国家意識をたどり、子守唄やロカビリー、グループ・サウンズ、テレビドラマなどの大衆文化から、日本とアジアの近代化にそれぞれなりの形で関わった人びとの意識と行為を論じる。
内容説明
常民にとっての“日本”の近代とは?小津安二郎、戦争と敗戦から照射される「死」、子守唄、ロカビリー、グループ・サウンズ、テレビドラマ―。太平洋戦争をはさむ思想と大衆文化から、名もない人々が生き継いだ空間を生き返そうとする試み。
目次
戦中・戦後日本の“国家意識”とアジア―常民の“日本”
第1部 戦争を挟む政治思想(小津安二郎『一人息子』が描く日本の近代―「家族」の“嘘”と“死”;国家と死―大東塾の集団自決を事例に;安田武の「祖国」―竹内好と丸山眞男との関連から;千鳥ヶ淵戦没者墓苑の静かな浮揚―熱望されない唯一の選択)
第2部 大衆文化と“日本”の変容(軍歌と子守唄―「死」をうたう女たち;ロックンロールからロカビリーへ―アメリカ音楽文化の普通化と国家意識;ロック・中国・学校唱歌―瞳みのるは近代国家といかに対峙したか;盛り場における恋愛技術が国家意識形成に及ぼす影響―統治の変遷とアジアの性;焚書された「日本」イメージ―戦後日本の悪書追放運動と台湾の禁書政策から ほか)
著者等紹介
遠藤薫[エンドウカオル]
学習院大学法学部教授。東京大学教養学部卒業、東京工業大学大学院理工学研究科修了、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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