出版社内容情報
これは「社会システム理論」ではない。本書そのものが社会システム(の一部)なのだ。ルーマンの転機となった著書、待望の新訳!
本書はルーマンの理論が「オートポイエーシス」概念を摂取することによって「後期」の姿へと変貌していく、そのターニングポイントとなった。以後次々と刊行されていく「社会のシリーズ」で縦横に駆使されることになる諸概念装置が、一通り提起される。このルーマン理論の折り返し点ないし蝶番となった著書を碩学渾身の翻訳で読む。
内容説明
これは「社会システム理論」ではない。本書そのものが社会システム(の一部)なのだ。ルーマンの転機となった著書、待望の新訳!
目次
導入のために―システム理論におけるパラダイム転換
第1章 システムと機能
第2章 意味
第3章 二重の偶発性
第4章 コミュニケーションと行為
第5章 システムと環境
第6章 相互浸透
著者等紹介
ルーマン,ニクラス[ルーマン,ニクラス] [Luhmann,Niklas]
ビーレフェルト大学名誉教授。1968年から1993年までビーレフェルト大学社会学部教授を務めた。1927年‐1998年。著書多数
馬場靖男[ババヤスオ]
大東文化大学社会学部教授。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
2
ひさびさに目が疲れる読書である。分かりやすさとか読みやすさといった文脈とは遠くかけ離れた地平で行われるため、今なんの話をするためにこの話が出てきていて、さっきまでの話とどう繋がりつつ別の話へと変わったんだろう、などと考えても無駄である。全ての章は開放的に個別的で、閉鎖的に繋がっている。それでも今のところ「固有値」や「メディア/形式」の差異などの後期の語彙が登場しておらず、APSを従来の社会システム理論に取り入れることで何が革新的になるのかを、従来の社会学用語に照らして説明しているところはまだ可愛げがある。2020/02/08