出版社内容情報
少子化により大学進学率の上昇する2010年代において、高校生が将来の展望や価値観を形成してゆく要因を、全国調査のデータ分析から解明する。社会階層論・教育社会学・家族社会学などの幅広い分野からアプローチすることにより、格差社会における高校生と母親の親子関係のあり方や、学校の果たす役割を考えるヒントを探り出す。
内容説明
高校生そして母親は何を考え、どのような将来像を描いているのか。全国調査データから格差社会の中での家庭と学校を問い直す。
目次
高校生の進路選択へのアプローチ―「高校生と母親調査、2012」の目的、設計、分析
第1部 高校生の進路選択の実態(進学率の上昇は進路希望の社会経済的格差を縮小させたのか―2002年と2012年の比較分析;「学校不適応」層の大学進学―出身階層、学校生活と進路希望の形成;大学・短大の専門分野はどのように決まるのか―出身階層と高等教育の学科・専攻選択との関係;誰が推薦入試を利用するか―高校生の進学理由に注目して;高校生の職業希望における多次元性―職業志向性の規定要因に着目して)
第2部 高校生の進路選択と家族・ジェンダー(進学希望意識はどこで育まれるのか―母子間における接触と意見の一致/不一致に着目して;海外に憧れる高校生はだれか―ジェンダーの視点から;母子間の価値観の伝達―性別役割分業の一般的規範・個人的展望に関する分析;母親の就業経歴と高校生のライフコース展望―「仕事も家庭も」という母親が子どもに与える影響)
親子調査からみえてきた課題―近年の高校教育と親子関係の変化をふまえて
著者等紹介
中澤渉[ナカザワワタル]
1973年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(博士:教育学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科・准教授
藤原翔[フジハラショウ]
1981年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了(博士:人間科学)。現在、東京大学社会科学研究所・准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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