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稼ぐ妻・育てる夫―夫婦の戦略的役割交換

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  • サイズ A5判/ページ数 281p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326602209
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C1036

出版社内容情報

育児支援制度が乏しいアメリカ人夫婦が育児とキャリアを両取りできる秘訣は?丹念な現地取材でワーク・ライフ・バランスの本質をみる。

「子ども2人を育てながらキャリアアップは当たり前!」育児休業制度や公立保育園の整備が遅れ、激しい競争にさらされているはずのアメリカ女性が胸を張る秘密は、夫婦の家事役割分担で時間を分けあい、互いのキャリアアップをはかることにあった。丹念なインタビューをもとに、日本の進むべきワーク・ライフ・バランス像を提言!

はじめに 本当に対等な夫婦関係を探してアメリカヘ

第1章 日米女性の比較:キャリアか子どもか、両方か

 第1節:「キャリアと子ども2人」が当たり前のアメリカ女性
 第2節:課長になるか役員になるか
 第3節:結婚・出産で辞める日本女性と辞めないアメリカ女性
 第4節:アメリカの高出生率
 第5節:全国規模での育児支援制度がないアメリカ
 第6節:日本女性の地位は果たして低いのか?
 第7節:科学者と日本女性の地位
 第8節:高学歴化がアメリカ女性の地位を上げた

第2章 アメリカ男女の家事育児時間

 第1節:あるクリスマスの風景
 第2節:アメリカ人夫婦の家事育児時間
 第3節:日本人夫婦の家事育児時間
 第4節:アメリカ男女の家事育児時間の変化
 第5節:結婚は男女の家事時間にどんな変化をもたらすか
 第6節:夫の家事・育児参加と女性のキャリア
 第7節:男性はなぜ家事をしないのか
 第8節:男らしい家事と女らしい家事

(コラム) なぜ、北欧ではなくアメリカをお手本にしたのか

第3章 アメリカ共働き夫婦の家事育児分担

 第1節:インタビューの目的
 第2節:関連する先行研究との対比
 第3節:インタビュー対象について
 第4節:インタビュー時の質問項目
 第5節:Institutional Review Board
      リサーチャーのインタビューに必須の手続き
 第6節:インタビュー対象の探し方
 第7節:ジャーナリズムとアカデミズムの
      インタビュー手法の違い
 第8節:誘導しなくてもよく喋るアメリカ人
 第9節:インタビューの結論

(コラム) 何もない街で、3回続けて同じレストランに入る

第4章 夫の家庭責任と妻の家計責任

 第1節:夫の協力が先か、妻の稼ぎが先か
 第2節:エリザベスさんとトーマスさん・
      「結婚は責任を分担すること」
 第3節:ジャックさんとマリーさん・     
      「もし、夫が家事を半分やらないなら、私は主婦になったわ」
 第4節:中流男性の没落が女性の社会進出を加速させた
 第5節:エリーさんとボブさん・
      「働き続けたのは健康保険のため」
 第6節:アニーさんとキャシーさん・
      「働くのはミドルクラスの生活を維持するため」
 第7節:日本の共働き夫婦における家計責任と家庭責任

第5章 合理的な選択が専業主夫を生んだ

 第1節:専業主夫とはどんな人々か
 第2節:ジェニーさんとグレッグさん・「妻は僕の3倍稼ぐ」
 第3節:エリーさんとマイクさん・「彼女の方が昇進の見込みが
      あったから、僕が育児に専念することにした」
 第4節:専業主夫の会議・
      「僕の収入が保育園代に消えるのはいやだ」
 第5節:専業主夫の1日・デイブさんの場合
 第6節:専業主夫の自尊感情・
      「おむつを換える男が世界を変える」
 第7節:少数派としての孤独

第6章 保育園不信・市場主義・個別交渉の文化

 第1節:フルタイムで働いても保育園料金を
      払えないから仕事を辞める
 第2節:保育園を利用したくないのは質に不満があるから
 第3節:ベビーシッターを利用する
 第4節:子どもを個人宅に預ける
 第5節:政府に育児支援を期待しない
 第6節:出産後もすぐに仕事に復帰する

第7章 なぜ、アメリカ男性は家事や育児をやるのか

 第1節:意思の強さで平等主義を貫く
 第2節:家庭を優先する夫たちの2類型
 第3節:キャリア志向の平等主義者たち
 第4節:男性が家事や育児をやる4つの理由
 第5節:ハーバード出の弁護士カップルにみる
      揺れるジェンダー規範

第8章 女性にも見られる保守的な志向・アメリカ女性の役割意識

 第1節:数字で見るアメリカの家族と性別役割分担意識
 第2節:女性の大半は稼ぎ手にはなりたくない
 第3節:揺れる女性のジェンダー規範・ 「育児は女の仕事」
 第4節:共働き夫婦のワーク・ライフ・バランスを巡る仮説

(コラム) もうひとつのインタビュー:移民のタクシー運転手たち

第9章 アメリカ女性が仕事と育児を両立できる理由

 第1節:雇用主が柔軟な勤務体系を認めている
 第2節:中途労働市場が機能している
 第3節:労働条件について直属の上司と交渉する
 第4節:ワーク・ライフ・バランス推進のため日本企業がすべきこと

(コラム) のろけるアメリカ人

第10章 私のワーク・ライフ・バランス

 第1節:専門職夫婦のキャリアと家計 (6年間の超遠距離交際)
 第2節:ライフステージに応じた働き方 (つわりで価値観が一変する)
 第3節:夫の家事・育児参加 (授乳以外は男性にも全てできる)
 第4節:女性による「男性差別」 (育児する父親がぶつかる壁)
 第5節:母親のワーク・ライフ・バランス (時間より感情が問題)
 第6節:効果的な少子化対策 1.明るい話題を報道する
 第7節:効果的な少子化対策 2.小さいうちから子どもと接する
 第8節:効果的な少子化対策 3.中高年管理職と赤ちゃんを接触させる

おわりに
参考文献
索引

内容説明

夫婦の経済力・育児インフラ・キャリアパスなど多角的な現地調査でアメリカ人夫婦の心情に迫り、日本のワーク・ライフ・バランスに重要な指針を示す。

目次

第1章 日米女性の比較:キャリアか子どもか、両方か
第2章 アメリカ男女の家事育児時間
第3章 アメリカ共働き夫婦の家事育児分担
第4章 夫の家庭責任と妻の家計責任
第5章 合理的な選択が専業主夫を生んだ
第6章 保育園不信・市場主義・個別交渉の文化
第7章 なぜ、アメリカ男性は家事や育児をやるのか
第8章 女性にも見られる保守的な志向・アメリカ女性の役割意識
第9章 アメリカ女性が仕事と育児を両立できる理由
第10章 私のワーク・ライフ・バランス

著者等紹介

治部れんげ[ジブレンゲ]
1974年生まれ。97年一橋大学法学部卒業。新聞社系の出版社に入社し、経済週刊誌などを担当。2006年7月~2007年8月までフルブライト・ジャーナリストプログラムにて渡米、ミシガン大学女性教育センターにて客員研究員。「アメリカ男性の家事育児分担とそれが妻のキャリアに与える影響」について文献調査とインタビューを行った。2008年5月に長男を出産(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MOCCO

3
★★★★☆:“共働き”だから家事は公平に分担して欲しい、という主張は一方的なものでしかなくて、働く妻にも“家計を分担している”意識が必要という点が、心に染みた。正直、今はまだ、もし旦那が急にクビor転職しても私が働いていれば大丈夫、位の意識しか持てていないから、旦那が専業主夫になっても、私の稼ぎだけで家族を養える、なんてとてもいえない。筆者の研究成果をまとめたもので数値結果等が多く、読み応えのある本ですが、自分が働く意義や立場について、もう一度深く考えるきっかけになった。2013/07/11

motiko

1
すべての子どもをもつ共働き夫婦に読んでもらいたい良書。自分は子どもを預けて胸を張って働いていいのだと言われたような気がする。お互いの能力を認めあい、支えあって子育てをすることでハッピーな夫婦生活を送ることができる2012/05/23

Yukiko Yosuke

1
共働き家庭で妻の家事育児負担が夫より平均して高いのは何故かを、高学歴、高収入の米国人カップルに対するインタビューから紐解く。それは、家事育児に対する責任を感じているかどうか、その度合いが夫と妻では大きく異なるためなのではないか、という主張。逆に厳しい指摘も。真に平等でありたいと考えるならば、妻側は家計責任を持つ覚悟が必要。確かに。2012/02/14

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