出版社内容情報
家族の内部と外部の人間関係の「構造」を同一の枠組でとらえるネットワーク論。家族社会学と都市社会学を横断して「家族の変動」を説明しうる理論にむかって。
家族を、「連帯と解放のネットワーク」と考えてみよう。家族の集団性がゆらぎ「個人化する家族」「ライフスタイル化する家族」がいわれる中、役割意識や規範意識の検討だけでは「家族の変動」は十分にはとらえられない。「大規模な社会変動下の人間関係研究」という同一の関心をもつものとして、家族論とコミュニティ論を交差させる。
[関連書]同著者編・監訳 『リーディングスネットワーク論』 (勁草書房刊)
まえがき──家族・コミュニティ・ネットワーク
第1章 家族・コミュニティ問題──ネットワークのなかの夫婦関係
1. コミュニティ研究と家族研究の交差
2. 家族・コミュニティ問題の都市間比較分析
3. 磁場としてのネットワークと家族
4. 現代日本の家族・コミュニティ変動
第2章 ネットワーク論の意義と方法──家族研究への応用
1. ネットワークのなかの家族
2. 社会的ネットワーク論とは何か
3. ネットワークのなかの家族/ネットワークとしての家族
4. 資源としてのネットワーク/拘束としてのネットワーク
5. 家族とネットワークの変動論──空間と構造
6. 家族・ネットワーク論の展望
第3章 核家族の連帯性とネットワーク
1. 個人化する家族/連帯する家族
2. 家族の連帯とパーソナル・ネットワーク
3. データと方法
4. 分析結果──家族関係構造とネットワーク構造
5. 考察と結論──家族の個人化とパーソナル・ネットワークの構造
第4章 若年世代の結婚意欲とネットワーク
1. 結婚はネットワーク現象か
2. 分析枠組と主要な変数──結婚意欲・親子関係・ネットワーク・職業満足度
3. 結婚意欲を規定する要因
4. 結婚意欲に対するネットワーク効果とジェンダー
第5章 ネットワークのなかの定住と移住
1. ライフコースの脱標準化と住み替えパターンの多様化
2. 定住・移住志向とパーソナル・ネットワーク
3. 対象者3グループの個人・世帯特性とネットワーク特性
4. 現住地での定住意思
5. 原住市区内での定住意志
6. 定住と移住を方向付けるネットワーク
第6章 生活史とネットワーク──時代と磁場と自我のジレンマ
1. 都市の社会的世界と個人史
2. 東京下町と時代の文脈
3. 和家具職人の世界とその変容──親父の時代
4. 自我と磁場──父親との葛藤
5. 職人と営業マンの狭間──人生の遠回り
6. 空間をめぐるジレンマ──下がるか溜まるか
7. 下町の変貌
8. 時代と磁場と自我のジレンマ
7章 ネットワーク論の可能性──家族社会学のパラダイム転換再考
1. なぜネットワークなのか
2. 家族は集団ではないのか
3. 個人化する家族/ライフスタイル化する家族
4. ネットワーク現象としての家族
参考文献/索引
内容説明
「家族の変動」を説明しうる理論にむかって。家族の内部と外部の人間関係の「構造」を同一の枠組でとらえる。家族社会学と都市社会学を交差させるネットワーク論。
目次
第1章 家族・コミュニティ問題―ネットワークのなかの夫婦関係
第2章 ネットワーク論の意義と方法―家族研究への応用
第3章 核家族の連帯性とネットワーク
第4章 若年世代の結婚意欲とネットワーク
第5章 ネットワークのなかの定住と移住
第6章 生活史とネットワーク―時代と磁場と自我のジレンマ
第7章 ネットワーク論の可能性―家族社会学のパラダイム転換再考
著者等紹介
野沢慎司[ノザワシンジ]
1959年、茨城県水戸市生まれ。1989年、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。静岡大学人文学部助教授(1995~96年、トロント大学都市コミュニティ研究センター客員研究員)を経て、1999年より明治学院大学社会学部教授(2006~07年、フロリダ州立大学家族・子ども科学科客員研究員)。家族社会学、社会的ネットワーク論、コミュニティ論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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