出版社内容情報
従来の先進国がとっていた福祉国家政策は、経済成長の鈍化に伴って維持できなくなった。80年代イギリスにおけるサッチャー政権の改革に象徴されるように、福祉政策の分野は民営化・効率化の大波に洗われている。少子・高齢化や情報化といった新しい社会変動も加わり、福祉をめぐるサービスのあり方は、理念的にも制度的にも抜本的な見直しが迫られている。本書はこの現状を一方で歴史的にフォローし、他方で、グローバル化、情報革命、労働力形成の転換、危機管理といった各論に分けて詳細に論じている。福祉サービスの理念と現実を統一的に把握す
内容説明
「福祉社会から福祉世界へ」という課題、狭義の社会福祉・社会保障を超えて「社会政策から国際社会政策へ」という課題が、従来の概念やスローガンを超えて現実化されなければならないし、その意味で、「福祉のパラダイム転換」は一国規模を超えて早急に21世紀への新たな構想へとステージを高めなくてはならない。少子・高齢化と情報化、グローバリズムの衝撃を受けとめ、福祉・労働から教育にわたるシステム全般の改革を訴える。
目次
序章 福祉価値の転換と新たなパラダイム
第1章 福祉経済と社会システム
第2章 グローバル時代と国際社会政策の発展
第3章 情報(IT)革命と労働・雇用の転換
第4章 人材・労働力形成の転換と教育改革
第5章 「危機管理社会政策」へのアプローチ―阪神・淡路大震災をモデルとして