出版社内容情報
水俣病は、1995年政治決着を見た。このことは果たして原告側の勝利と言い得るのだろうか。そこには行政の責任は全く追及されず、単に企業責任の後始末といった行政の顔が見え隠れするだけである。現在、産業廃棄物、ダイオキシン問題等が起こっている。このようなときにあたって、本書では水俣病が教訓とする問題を根本釣に考察した。第一次資料を駆使し、理論化した記録を示すことにって行政の無謬性の神話を砕き、行政責任を追及する。
内容説明
水俣病患者発生後の熊本・新潟両県と政府の対応=行政責任を実証的に解明。発生源企業の歩みを日本の水力発電史のなかに位置づけ、企業破局と水俣病発生の原因を新たな視角から追究した。
目次
序論 本書の問題視角
第1章 電源開発・電気化学工業の展開と水俣病問題
第2章 水力発電の展開と流域再編成
第3章 日窒・新日窒の企業展開の曲折
第4章 日窒の朝鮮電源開発の展開
第5章 水俣病問題の行政責任
第6章 熊本・新潟両水俣病の基盤・背景の異同
第7章 新潟県の水俣病行政―熊本県との比較
第8章 石油化学への転換対策と水俣病問題