出版社内容情報
行為論からシステム論への転換を促す初期ルーマンの代表作。〈合理性〉を定義し直し、〈目的〉の機能を位置づける。
内容説明
システムと環境の区別によって〈合理性〉を定義しなおし、〈目的〉の機能を社会システム論のなかに明確に位置づける。初期ルーマンの代表作。
目次
序論 行為とシステム
第1章 行為と、行為目的の特殊化
第2章 古典的な組織学説におけるシステム概念と目的理論
第3章 批判的潮流と新しい立場
第4章 目的設定の機能
第5章 目的プログラミング
結語 経験的研究と規範的研究の分離について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
目的達成のために人は効率的合理的行動をとる、というマックス・ヴェーバーの目的合理的行為の前提にある意識的主体による実践概念が揺らぐ1960年代、著者は目的概念をシステムにおける秩序の形成から捉え直す。本書は不確定な外部環境とコミュニケートするシステムが内的秩序を形成する過程を検討することによって、目的合理性は相対的に正当化できるとした。また、インプット(条件プログラミング)とアウトプット(目的プログラミング)というシステム的捉え方によって、目的と手段を分離したT・パーソンズの行為論を刷新する意図も窺える。2024/08/13