内容説明
2007年、米国のサブプライムローン焦付きに端を発した金融不安は、ただちにヨーロッパ諸国に波及し、主要金融機関の破綻、金融市場の機能麻痺へと拡がり、世界的金融危機へ突入していった。さらに実体経済を巻き込み実体経済停滞・大量失業を長期化させていった。本書は、このような新しい世界的金融危機が生じた「根源」を明らかにし、危機を惹起した基本的構図を解明する。
目次
第1部 世界的金融危機の根源(為替安定化と持続的高度成長、およびそれらの破綻;米国の新しい世界経済戦略と現代資本主義の変質;実体経済から独立した投機的金融活動)
第2部 世界的金融危機を惹起する諸連鎖(「資産の証券化」と「証券の証券化」の特質と仕組み;「証券化」による住宅ローン拡大;金融取引の重層的拡大の諸連鎖;巨大損失を誘発・膨張させる諸連鎖;国家・国際協調による対策とそれが生み出す諸矛盾)
膨大化する金融取引・金融収益の内実、金融と実体経済
著者等紹介
井村喜代子[イムラキヨコ]
1930年金沢市に生まれる。1952年慶應義塾大学経済学部卒業。1958年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。1955年慶應義塾大学経済学部副手、その後、専任講師、助教授、教授。1995年定年退職。慶應義塾大学名誉教授。経済学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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