出版社内容情報
空間的応用一般均衡(SCGE)モデルを用いて交通政策の便益評価を実施し、経済厚生の観点から効果的な交通政策を明らかにする。
本書で対象とする交通政策では、便益評価が発展してきたわけであるが、便益評価は交通政策実施の有無に対する効用水準の変化を貨幣で評価するというものであり、効用水準の変化による波及的影響を評価していなかった。この要求にこたえるものが本書で提案する、交通生産を内生化した空間的応用一般均衡(SCGE)モデルである。
内容説明
交通生産を内生化した空間的応用一般均衡(SCGE)モデルによる交通政策分析。交通政策の効果と影響を、正確かつ客観的に評価することを可能にする交通生産内生型SCGEモデルを開発した。本書では、そのモデル構造と均衡計算方法を解説する。また、開発したSCGEモデルを、インフラ・料金・環境の各交通政策分析へ適用し、便益の計測を通じてそれらの効果と影響を評価した事例も紹介する。
目次
理論編(本書の空間的応用一般均衡(SCGE)モデル
交通生産内生型空間的応用一般均衡(SCGE)モデル
便益帰着構成表
SCGEモデルの拡張―現実的視点から
データセットの作成)
適用編(SCGEモデルによる新東名高速道路整備の便益評価;SCGEモデルによるリニア中央新幹線整備の便益評価―交通料金政策の検討;交通環境政策の経済評価;交通生産内生型SCGEモデルの今後の展望)
著者等紹介
武藤慎一[ムトウシンイチ]
1999年岐阜大学大学院工学研究科博士後期課程修了・岐阜大学博士(工学)。2021年山梨大学総合研究部工学域教授
河野達仁[コウノタツヒト]
1993年東北大学大学院工学研究科修士課程修了。2013年東北大学大学院情報科学研究科教授
福田敦[フクダアツシ]
1988年日本大学大学院理工学研究科博士後期課程交通土木工学専攻修了・日本大学工学博士。2005年日本大学理工学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。