出版社内容情報
貧困の動学的分析における重要概念となっている脆弱性について、家計のミクロ経済学的行動と関連づけつつ詳しく議論する、「開発のミクロ経済学」の最新の研究成果。
現在の開発・援助政策の動向は、客観的根拠に基づいた貧困の実態分析と貧困削減政策の評価を一層重要なものにしており、これに応える膨大な数の研究が手法面・事例研究双方で急速に蓄積されつつある。本書は最新の研究動向を展望し、「開発のミクロ経済学」を途上国の貧困や脆弱性の分析に応用して、貧困削減政策について言及する。
[関連書]同シリーズ:戸堂康之 『技術伝播と経済成長』 (勁草書房刊)
内容説明
貧困の動学的分析における重要概念となっている脆弱性について、家計行動のミクロ経済学理論と関連づけつつ実証的に議論する、「開発のミクロ経済学」の最新の研究成果。
目次
途上国の貧困・脆弱性問題
第1部 貧困の経済分析の基本(貧困の概念と計測;家計レベルの所得貧困の決定要因;経済成長、不平等、貧困のトライアングル;貧困削減政策の評価)
第2部 貧困・脆弱性の動学的ミクロ分析(経済階層移動と脆弱性の概念;不確実性下の動学家計モデルに基づく貧困・脆弱性分析;脆弱性の諸指標;貧困の一時的要因と慢性的要因への分解 ほか)
途上国の貧困・脆弱性分析の今後
付録 パキスタン北西辺境州の2時点パネルデータ
著者等紹介
黒崎卓[クロサキタカシ]
1964年生まれ。東京大学教養学部卒業。スタンフォード大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。アジア経済研究所研究員、一橋大学経済研究所助教授を経て、一橋大学経済研究所教授。専攻、開発経済学、農業経済学、アジア経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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