出版社内容情報
日本の公教育における運営と統制の改善に資する政策選択は何か。本書はこの政策課題を議論・判断する論拠を提示する。
本書では、文部科学省を中心として進められている「資質・能力」という教育成果に重きを置く学校運営、多職種協働を通じた多様なアクターによる学校統治、選択と競争の自由度を高める教育供給という政策・制度変容を取り上げ、教育の質の向上や学習機会の保障の視点を踏まえつつ、可能な限り政策・制度変容の効果を検証する。
内容説明
公教育における運営と統制の改善に資する政策選択とは何か。教育供給の変容をめぐる教育現場での受容の実態を検証し、公教育の質の向上や学習機会の保障の視点から、政策変容の効果を評価する。
目次
序章 公教育の経済学的特性と政策選択―理論・実証分析のサーベイを交えて
第1章 学校運営改善と教育達成―国公立小中学校パネルデータを用いた実証分析
第2章 私立高校学納金の規定要因―都道府県による就学支援事業の影響に関する実証分析
第3章 世代別政治力が自治体による教育の公的助成に与える影響―年齢別投票率を用いた準要保護率決定要因の実証分析
第4章 公教育をめぐる政府間の共有責任と戦略的相互依存―階層並列的なPolitical Agency Modelによる分権的教育供給の実証分析
第5章 政令指定都市への学級編制基準決定権の権限移譲の効果―都市別パネルデータを用いた実証分析
第6章 学校運営改善が地域連携教育の推進に与える影響―国公立小中学校カテゴリカルデータを用いた実証分析
第7章 公立小学校選択制が中学進学における進路多様化に及ぼす影響―東京都公立学校統計調査報告書を用いた実証分析
終章 公教育運営の着地点―まとめと今後の課題
著者等紹介
田中宏樹[タナカヒロキ]
1967年生まれ。2000年3月大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了。株式会社PHP総合研究所主任研究員、内閣府経済社会総合研究所客員研究員、同志社大学政策学部助教授・准教授を経て、現在、同志社大学政策学部教授・大学院総合政策科学研究科教授。著書・論文『政府間競争の経済分析―地方自治体の戦略的相互依存の検証』(日本地方財政学会第14回佐藤賞(著書の部)受賞)勁草書房、2013年など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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