出版社内容情報
古代アテネの民主制をモデルに現代の民主国家アメリカを痛烈に風刺するファンタジー。民主制とは何か、市場経済とは何かを問い直す。
古代ギリシャのアテネは、ペルシャ帝国との大戦の後、ギリシャ世界の盟主として、経済の中心として富み栄える。しかし、皮肉なことに、国内で民主制を確立した後、対外的には民主的な盟主から力で支配する帝国へと変容していく。本書はアテネの指導者ペリクレスの「妻」アスパシアと「歴史の父」ヘロドトス、そしてその二人のもとで大人へと変わっていく少女と少年の目線で物語が展開する。物語は「健全な利己心」が必要な市場経済から始まり、舞台は「健全な利他心」が必要な国家運営へ移る。しかし、国家のことを慮る「健全な利他心」が紛争をひき起こす。
[関連書] 同著者 『市場(スーク)の中の女の子』 (PHP研究所刊)
第1章 神々の島
第2章 神託
第3章 宴
第4章 国家
第5章 向こう岸
あとがき
内容説明
古代ギリシャの盟主アテネが現代のアメリカに重なる。アゴラでなされる取引と駆引き、少女と少年が目にした光景は…。