出版社内容情報
東南アジア主要5ヵ国(シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア)の発展とその21世紀の行方を展望する。
1970年代から経済成長を続けてきた東南アジア5ヵ国は1997年のアジア通貨危機を契機に停滞期を迎えたが、近年、回復がめざましい。本書は、その30年の社会経済発展(貧困削減、所得の増加、新興工業国への仲間入りなど)を振り返り21世紀の行方を考える。さらに、その鍵を握るのは政治問題と結論づける。
第1章 社会経済発展の展望……安場保吉
Ⅰ. はじめに
Ⅱ. 家産制国家の伝統
Ⅲ. 製品輸出型成長の展開
Ⅳ. クルグマンの幻のアジア経済論について
Ⅴ. おわりに
第2章 農業発展……福井清一
Ⅰ. はじめに
Ⅱ. ASEAN 4 の経済発展と農業の役割
Ⅲ. ASEAN 4 における経済成長と農業発展のパターン:諸仮説の検証
Ⅳ. 農業政策の転換:農業搾取政策から保護政策へ
Ⅴ. おわりに:農業発展の課題と展望
第3章 人口と生活の変化……坪内良博
──マレーシア農村を手がかりに
Ⅰ. マレー農村の30年から何が見えたか
Ⅱ. マレー農村は特異な存在か
Ⅲ. おわりに:アジア独自の変化があるか
第4章 スハルト新体制下のインドネシア経済……テー・キアン・ウィー
Ⅰ. はじめに
Ⅱ. 危機から奇跡へ、そして危機へ
Ⅲ. 経済発展(1965~97年)
Ⅳ. 社会的発展
Ⅴ. 絶対的貧困と相対的不平等
Ⅵ. 経済成長の環境への影響
Ⅶ. 新体制政府の倫理的堕落
第5章 通貨危機後のインドネシア経済……アンワール・ナスティヨン
Ⅰ. はじめに
Ⅱ. 経済成長
Ⅲ. 公共部門の流動性と財政の健全性
Ⅳ. 金融政策
Ⅴ. 銀行のリストラクチャリング
Ⅵ. 対外セクター
Ⅶ. おわりに
第6章 内から見た ASEAN の経済発展……ジョン・ウォング
Ⅰ. はじめに
Ⅱ. ASEAN の社会経済的発展
Ⅲ. ASEAN 経済の構造的問題点
Ⅳ. 次の発展段階の諸問題
Ⅴ. 外国からの競争の激化
Ⅵ. 高まる挑戦に応えるために
第7章 ASEAN 社会経済の将来……安場保吉
索引
内容説明
東南アジア主要5ヵ国(シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア)30年の社会経済発展(貧困削減、所得増加、新興工業国への仲間入りなど)を展望し21世紀の行方を考え、その課題を浮き彫りにする。
目次
第1章 社会経済発展の展望
第2章 農業発展
第3章 人口と生活の変化―マレーシア農村を手がかりに
第4章 スハルト新体制下のインドネシア経済
第5章 通貨危機後のインドネシア経済
第6章 内から見たASEANの経済発展
第7章 ASEAN社会経済の将来
著者等紹介
安場保吉[ヤスバヤスキチ]
大阪学院大学教授・大阪大学名誉教授。元京都大学東南アジア研究センター教授。ジョンズ・ホプキンズ大学Ph.D.
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