出版社内容情報
環境保全は、そのための制度の設計・機能の充実化のみならず、そこに関わる者それぞれの行動と取り巻く周囲の状況との相互作用によって生み出された結果のひとつの現れではないだろうか。
本書はこの問題意識のもとに、生物システムや経済・社会システム等のより複雑な現象解析のために用いられるエージェントベース・アプローチを採用し、「湖水」と呼ばれるゲーム・モデルを素材に、環境資源をめぐる複数主体間相互の作用をコンピュータ・シミュレーションにより分析する。そしてこのモデルから、環境保全を受容する社会のあり方の理論的考察を試みる。
第1章 コモンズ・ゲーム
1・1 コモンズ・ゲーム
1・2 エージェントの戦略について
第2章 進化的シミュレーション
2・1 遺伝的アルゴリズム
2・2 モデリング
2・3 GAによるシミュレーション
2・4 考察
第3章 学習によるシミュレーション
3・1 強化学習
3・2 強化学習に用いられる学習アルゴリズム
3・3 モデリング
3・4 学習アルゴリズムによるシミュレーションⅠ
3・5 シミュレーションⅡ
3・6 考察
第4章 制度としてのコモンズ
4・1 環境保全制度としての資源利用・所有レジーム
4・2 Okadaモデル
4・3 シミュレーションⅢ
4・4 シミュレーションⅣ
あとがき
索引
内容説明
「湖水」に集う人々はコモンズを守ることができるのか?エージェントベース・シミュレーションによる環境保全制度の設計に向けた検証。
目次
第1章 コモンズ・ゲーム(コモンズ・ゲーム;エージェントの戦略について)
第2章 進化的シミュレーション(遺伝的アルゴリズム;モデリング;GAによるシミュレーション;考察)
第3章 学習によるシミュレーション(強化学習;強化学習に用いられる学習アルゴリズム;モデリング;学習アルゴリズムによるシミュレーション1;シミュレーション2;考察)
第4章 制度としてのコモンズ(環境保全制度としての資源利用・所有レジーム;Okadaモデル;シミュレーション3;シミュレーション4)
著者等紹介
山本秀一[ヤマモトシュウイチ]
1963年大阪府生まれ。1988年大阪市立大学経済学部卒業。1990年大阪大学大学院工学研究科博士前期課程修了後、株式会社三和総合研究所(現UFJ総合研究所)研究員を経て、1992年和歌山大学経済学部助手。現在、和歌山大学システム工学部講師。専攻は環境経済学
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