出版社内容情報
近年の地球温暖化や少子高齢化の進行、経済成長率の低下といった急激な社会状況の変化に合わせ、交通・地域政策の目標も利便性の追求から環境負荷の小さい社会システムヘの移行や、コストレスなサービス供給形態、効率的なシビルミニマムの保障といったことが重視されるようになってきた。
本書では、上述の問題に対して政策分析のための理論的な枠組みを提示しながら、MPEC(均衡制約付き数理最適化問題の交通・地域分析への応用)という共通した数理モデルに基づく分析を応用することによって、従来とは異なる視点からの分析を試みる。
内容説明
本書で取り組んだMPEC:均衡制約付き数理最適化問題の交通・地域政策分析への応用は上述の問題に対して政策分析のための理論的な枠組みを提示している。応用対象となった社会問題自体は従来から交通・地域政策に関する問題として認識されていたものではあるが、MPECという共通した数理モデルにもとづく分析を応用することによって従来とは異なった視点から分析を試みている。
目次
第1章 MPECにもとづく政策問題とその解法
第2章 都市鉄道整備における費用負担スキームの比較分析
第3章 混雑料金と割り当て制の合成スキームによるパレート改善
第4章 鉄道通勤におけるフレックスタイム制度化の通勤・始業時刻分布
第5章 自動車交通による二酸化炭素排出削減政策の国民経済的評価
第6章 河川水質目標達成のための効率的な汚濁負荷削減スケジュール