出版社内容情報
1997年のアジア通貨・金融危機以降、とりわけそのリスク要因を増すであろうと予想される東アジアの環境問題ついて、適切な対策と国際協力のあり方を考える。
とくに、1970年代に激甚な産業公害を経験し、行政・企業・市民の三者が一体となってこの問題を克服した北九州市の例を北九州市モデルとして取り上げ、その発展プロセス、構造の特徴とメカニズム、その成果の経済的評価、発展途上国への適用可能性、持続可能な都市への挑戦と今後の課題などを考察し、発展途上国にとって有効な戦略を提示する。
【目次】
第1部 東アジアの開発・貿易と環境問題
1 東アジア諸国30年の成長の軌跡と成果
2 東アジアの工業化進展と工業化路線の違い
3 東アジアの開発と環境問題
4 東アジア諸国の環境問題の類型化と地球環境問題
5 環境と貿易ををめぐる諸問題
6 WTO体制下での貿易と環境問題
第2部 韓国・中国の工業化・都市化と環境問題:日本への政策的示唆
7 韓国・中国の環境問題の特徴と環境管理システム、政策手法
8 日本の環境問題、環境管理システム、政策手法
9 日本の環境国際協力への示唆:対中環境国際協力のケース・スタディ
第3部 地方都市の産業公害克服経験と新たな挑戦:
北九州市のケース・スタディ
10 北九州市の歴史的発展と構造変化
11 北九州市の環境問題の歴史的展開
12 北九州市の環境改善要因の分析:大気汚染改善のケースを中心として
13 北九州市モデルの環境ガバナンスの特徴とその評価
14 北九州市モデルの発展途上国への適用可能性の考察
15 「持続可能な都市」を目指して
参考文献
索引
内容説明
東アジアの次のリスク要因は環境問題。開発と環境をいかに両立させるか、日本の北九州市をモデルにこの課題に答える。また、OECD諸国や韓国、中国等の環境対策にも目配りしながら、環境問題への適切な対策と国際協力のあり方を示唆する。
目次
第1部 東アジアの開発・貿易と環境問題(東アジア諸国30年の成長の軌跡と成果;東アジアの工業化進展と工業化路線の違い;東アジアの開発と環境問題 ほか)
第2部 韓国・中国の工業化・都市化と環境問題―日本への政策的示唆(韓国・中国の環境問題の特徴と環境管理システム、政策手法;日本の環境問題、環境管理システム、政策手法;日本の環境国際協力への示唆―対中環境国際協力のケース・スタディ)
第3部 地方都市の産業公害克服経験と新たな挑戦―北九州市のケース・スタディ(北九州市の歴史的発展と構造変化;北九州市の環境問題の歴史的展開;北九州市の環境改善要因の分析―大気汚染改善のケースを中心として ほか)
著者等紹介
勝原健[カツハラタケシ]
1935年生まれ。山口県出身。58年東京大学法学部卒業。新日本製鉄総合調査部担当部長、(財)国際東アジア研究センター副所長兼研究部長などを経て、現在、東亜大学経営学部教授。北九州大学、西南学院大学講師(非常勤)を歴任。75~90年にIISI(ブリュッセル)、OECD鉄鋼委員会(パリ)、UNIDO(ウィーン)に専門委員として参画。専門は、アジア経済・産業論、環境経済・経営論
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