出版社内容情報
アメリカ、ドイツの国際比較の視座の下で日本近代法の最重要局面の一つである経済法制の歴史を分析、経済法秩序の展開を追跡する。
独禁法生誕以前の20世紀初期にまで遡り、経済法思想の起源を探求することに力点を置き、?独禁法の直接の源であるシャーマン法を生み出したアメリカ、?戦前日本の経済法思想に最大の影響を及ぼし、第二次大戦後に占領改革を経験したドイツの二国の歴史過程に関する分析を配し、比較の視座の下で日本の経済法秩序の展開を追跡する。
目次
第1章 経済法の比較史―米・独・日三国における二〇世紀前半の展開(「営業の自由」の歴史的経路;アメリカの経験;ドイツの経験;日本の経験;おわりに)
第2章 戦時経済統制と「解説法学」(戦時経済統制の展開と「経済司法」;経済統制法令違反と法学者;占領管理体制下の「経済司法」;おわりに)
第3章 戦時・占領期における「経済法」と法学(本章の視角;Wirtschaftsrechtの紹介と「経済法」;日中戦争の開始と「経済統制法」;日本経済法学会の設立と東京商科大学;占領管理と独占禁止法;経済法学会の設立と競争法)
第4章 アメリカ法における再販売価格維持行為規制―ドクターマイルズ判決(Dr.Miles Medical Co.v.John D.Park & Sons Co.,220 U.S.373(1911))の再評価(ドクターマイルズ判決に対する現在の評価―リージン判決の批判を手がかりに;二〇世紀初頭までの再販売価格維持行為規制;ドクターマイルズ判決の再評価)
第5章 ドイツの「経済法」―ナチス期の価格政策立法を中心に(政策と立法―理念と実務のずれ?;法学と判例―理念と実務のずれ?(その2))
著者等紹介
伊藤孝夫[イトウタカオ]
1962年生まれ。京都大学大学院法学研究科修士課程修了。博士(法学)。京都大学大学院法学研究科教授。日本法制史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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