出版社内容情報
超高齢社会において急増する認知症高齢者に、行政はどのように向き合うべきか。意思能力の存在を前提としてきた法制度の空白に迫る。
現行法の仕組みは国民が意思能力を備えていることを前提としており、特に行政実務の現場において「意思能力を欠く者」の存在はいわば「見て見ぬふり」をされてきた。本書では、超高齢社会における認知症高齢者の急増を念頭に、行政法上の課題を軸として、内外の研究者と実務家が連携し、関連の法領域をも含めた多角的な検討を試みる。
【目次】
はしがき
第1部 総論:「意思能力を欠く者」に関する行政対応の現状と課題
第1章 「意思能力を欠く者」をめぐる行政対応と法的課題──本書の問題意識と行政法・行政法学への示唆[田中良弘]
Ⅰ 本書の問題意識と概要
Ⅱ 「意思能力を欠く者」をめぐる行政対応の現状と課題
Ⅲ 「意思能力を欠く者」をめぐる法的課題
Ⅳ 包摂社会の実現に向けた行政法・行政法学のあり方
第2章 「意思能力を欠く者」に対する民法上の意思決定支援の現状と課題[上山泰]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 意思決定支援と成年後見制度
Ⅲ 意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン
Ⅳ 結びにかえて
第3章 「意思能力を欠く者」に対する社会福祉の現状と課題[永野仁美]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 福祉サービスの利用における法的関係
Ⅲ 権利擁護のための意思決定支援
Ⅳ 支援を受けながらの自律(自立)
Ⅴ おわりに
第2部 各論1:「意思能力を欠く者」に関する行政法の課題
第1章 「意思能力を欠く者」に対する行政の実体的配慮義務[釼持麻衣]
Ⅰ 当然視できなくなる相手方の意思能力
Ⅱ 意思能力を欠く者が表意者である場合
Ⅲ 意思能力を欠く者が名あて人である場合
Ⅳ デジタル時代における立法的配慮義務
第2章 「意思能力を欠く者」に関する行政法の手続的課題──特別行政手続代理人の構想[北村喜宣]
Ⅰ 看過できなくなる「不都合な真実」
Ⅱ 不利益処分ができない現行法制度上の理由
Ⅲ 不作為がもたらす状況の不合理
Ⅳ 民事訴訟法35条の特別代理人制度
Ⅴ 行政手続法の特別法としての制度設計
Ⅵ 今後の課題と展望
第3章 「意思能力を欠く者」のために「事務を管理する」条例の草案[板垣勝彦]
Ⅰ 問題意識
Ⅱ 「行政による事務管理」という構成の難点
Ⅲ 「事務を管理する」条例の制定の提案
Ⅳ まとめと今後の課題
第3部 各論2:「意思能力を欠く者」に関する学際的検討
第1章 「意思能力を欠く者」と裁判を受ける権利[尾形健]
Ⅰ 憲法学からのアプローチ
Ⅱ 「裁判を受ける権利」の意義
Ⅲ 「裁判を受ける権利」の内実の究明と「審問請求権」保障
Ⅳ 「意思能力を欠く者」の権利保障と裁判制度上の配慮
第2章 「意思能力を欠く者」への裁判手続保障──アメリカ法の一側面から[尾形健]
Ⅰ 適正手続保障と裁判
Ⅱ 裁判手続における「意思能力を欠く者」への保障
Ⅲ 「意思能力を欠く者」への裁判手続上の配慮──住宅紛争を例に
Ⅳ アメリカ法からの示唆
Ⅴ 「意思能力を欠く者」への制度
内容説明
超高齢社会において急増する認知症高齢者に、行政・社会はどのように向き合うべきか。行政実務の現場において認知症高齢者をはじめとした「意思能力を欠く者」の存在は、いわば「見て見ぬふり」をされてきた。行政法上の課題を軸として、内外の研究者と実務家が連携し、憲法・民法・社会保障法などの周辺領域を含め、法制度の空白に迫る。
目次
第1部 総論:「意思能力を欠く者」に関する行政対応の現状と課題(「意思能力を欠く者」をめぐる行政対応と法的課題―本書の問題意識と行政法・行政法学への示唆(田中良弘)
「意思能力を欠く者」に対する民法上の意思決定支援の現状と課題(上山泰)
「意思能力を欠く者」に対する社会福祉の現状と課題(永野仁美))
第2部 各論1:「意思能力を欠く者」に関する行政法の課題(「意思能力を欠く者」に対する行政の実体的配慮義務(釼持麻衣)
「意思能力を欠く者」に関する行政法の手続的課題―特別行政手続代理人の構想(北村喜宣)
「意思能力を欠く者」のために「事務を管理する」条例の草案(板垣勝彦))
第3部 各論2:「意思能力を欠く者」に関する学際的検討(「意思能力を欠く者」と裁判を受ける権利(尾形健)
「意思能力を欠く者」への裁判手続保障―アメリカ法の一側面から(尾形健)
「意思能力を欠く者」のした遺言の効力―遺言の形成過程と生前の効力確認の可能性(橋口祐介))
第4部 各論3:「意思能力を欠く者」に関する行政実務の現状と課題(「意思能力を欠く者」をめぐる行政実務の現状と課題―行政実務家の視点から(寺崎邦秀)
「意思能力を欠く者」への支援と行政の役割―専門職成年後見人の立場から(千葉真理子)
「意思能力を欠く者」についての情報共有・連携と個人情報保護―公私協働論の観点から(宮森征司))
第5部 東アジアにおける現状と課題(韓国における「意思能力を欠く者」に関する法制度の現状と課題(金炅徳)
台湾の終末医療における「意思能力を欠く者」の取扱い―安寧緩和医療法及び患者自主権利法(王萱琳)
中国における「意思能力を欠く者」に関する法制度の現状と課題―成年後見制度における行政の役割に着目して(周家礼奈))
著者等紹介
北村喜宣[キタムラヨシノブ]
上智大学法学部・法科大学院教授。専門は、環境法・行政法
田中良弘[タナカヨシヒロ]
一橋大学大学院法学研究科教授、同大学国際・公共政策大学院長。専門は、行政法
釼持麻衣[ケンモチマイ]
関東学院大学法学部准教授。専門は、環境法・行政法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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