出版社内容情報
「強制は法の必須の要素である」。この命題を擁護する立場から、あらためて強制の意味を腑分けしなおし、その根拠を探求する。
日常感覚として、法と強制は切り離せない。だがその強制とは何か? そして一方、現代の法学にとって強制は周縁的な存在である。では、法は単なる脅迫とどう異なるか? ノージックの「強制」研究やハートの自然的正当化の真価を見直し、ラズの「天使の社会」を巡る論争を批判することで、法と強制の間に潜む哲学的問題に光を当てる。
内容説明
強制なき法はありうるのか?強制とは何か?法は単なる脅迫とどう異なるのか?ハートの自然的正当化やラズの「天使の社会」論証、シャウアーらの議論を通じて、法の強制性の輪郭を描き、根拠を探る。
目次
序章 法の強制性はあまりに明白で、いまやそれほど重要ではない?
第1章 強制とは何か―法は単なる脅迫とどう異なるのか
第2章 強制はどうして法概念の問題になるのか
第3章 「天使の社会」に法はあるか―本質主義の法概念論
第4章 シャウアー『法の力』の衝撃―非本質主義の法概念論
第5章 法の窮極に強制はあるか
著者等紹介
三浦基生[ミウラモトキ]
一橋大学大学院法学研究科・講師。一橋大学大学院法学研究科法学・国際関係専攻博士後期課程修了。博士(法学)。専門は法哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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