出版社内容情報
法廷は法と科学が出会う場だ。法が科学を規制するだけでなく、逆に科学も法を変えていく。ダイナミックな相互変容の「現場」。
内容説明
法が科学をつくり、科学が法をつくる。情報化、生殖医療、新エネルギー…先端科学技術に依存する現代人は、同時にその倫理的・法的問題にも直面している。
目次
第1章 科学と法の交わるところ
第2章 変化する知識、変化するルール
第3章 法が専門性を構築する
第4章 政府は専門性をどう語ってきたのか
第5章 科学のコミュニティにおける法
第6章 有害物質をめぐる不法行為と因果関係の政治
第7章 法廷のなかの遺伝子工学
第8章 家族にかかわる問題
第9章 生と死のさまざまな定義
第10章 さらに反照的な協働関係に向けて
著者等紹介
ジャサノフ,シーラ[ジャサノフ,シーラ] [Jasanoff,Sheila]
ハーバード大学ケネディスクール教授(科学技術社会論(STS))
渡辺千原[ワタナベチハラ]
立命館大学法学部教授、法社会学専攻、京都大学大学院法学研究科基礎法学専攻博士後期課程満期退学
吉良貴之[キラタカユキ]
宇都宮共和大学シティライフ学部専任講師、法哲学専攻。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソーシャ
3
STSの専門家がアメリカの科学技術をめぐる法的紛争の解説を通じて、法と科学技術の関係を論じた本。この二つは対立するものとして捉えられがちなものですが、著者はそのような単純な理解には立たず、時には法が科学技術の後押しをしたこともあるということを具体的な事例も交えて論じています。法制度と科学という制度のややこしい関係について考察したい人にお勧めです。2017/03/22
おやぶたんぐ
2
アメリカにおける裁判所と科学の関係について論じた本。ありがちな思い込みー自律した法理論ないし科学技術論の中でそれぞれ閉じた社会を形成しており、本来無関係な両者が裁判の場面でどう接していくかが問題だ、或いは、常に先を行く科学を、裁判の場面で裁判所が後追いしていくのだ、という幻想ーを、豊富な実例に基づいた説得力ある論旨で木っ端微塵に打ち砕く。紛争解決のために、裁判所は科学を普遍的な形で一般化し、それによって科学は社会にその姿を見せることで更なる発展につながっていく。日本でも大いに参考になる論考ではなかろうか。2018/10/06
takao
0
科学裁判2016/11/13




