社会主義とは何だったか

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社会主義とは何だったか

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  • サイズ B6判/ページ数 272,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326351008
  • NDC分類 309.3
  • Cコード C3031

出版社内容情報

社会主義の崩壊を自らの主体と深くかかわる問題としてとらえ,社会主義の思想的総括を行う。20世紀を生きてきた私たち自身の思索のための苦い良薬。

【目次】
第1部 視点と姿勢
Ⅰ 社会主義―私的総括
 1 課題
 2 ペレストロイカ以前
 3 ペレストロイカとその急進化
 4 社会主義の崩壊
 結びに代えて

Ⅱ 日本における(旧)ソ連・東欧研究の反省
 はじめに
 1 論点の限定
 2 イデオロギーと研究姿勢
 3 社会主義の破産をどう受けとめるか
 4 今後の研究動向
付論 東欧の激動に思う

第2部 社会主義改革論の挫折
Ⅲ ペレストロイカの転機と社会主義改革論の再考
 はじめに
 1 いくつかの典型的な議論とそれへの疑問
 2 古典改革論、ネオ改革論、脱社会主義、社会主義反動
 終わりに

Ⅳ 社会主義の運命
 はじめに
 1 「負けたのは特定の型の社会主義にすぎない」か
 2 「資本主義はそんなにすばらしいものではない」という点について
 3 社会民主主義の可能性について

Ⅴ 社会主義改革論の挫折―経済学者への問いかけ―
 1 問題の所在
 2 「市場」問題と「私的所有」問題
 3 プルスの自己批判をどう受けとめるか
 4 残された問題
 補説 コルナイの所有改革論について

Ⅵ 社会と主体―ある討論の記録―

Ⅶ 社会科学と思想
 1 問題の所在―二頭の巨像―
 2 脱出の試みとその陥穽
 3 近代日本における古典的な思想的課題
 4 現代における状況の変化
 5 新しい思想の課題

Ⅷ 転向論再考
 はじめに
 1 古典的状況およびその変奏
 2 ペレストロイカ前夜
 3 社会主義の崩壊と新しい転向
 4 広義「進歩派」の分解
 5 転向の後に

あとがき
人名索引

内容説明

社会主義が終って、虚脱感のとれない人、立ち直りの早い人、未練の残っている人すべてに贈る、思索のための苦い良薬。

目次

1 社会主義―私的総括
2 日本における(旧)ソ連・東欧研究の反省
3 ペレストロイカの転機と社会主義改革論の再考
4 社会主義の運命
5 社会主義改革論の挫折―経済学者への問いかけ
6 社会と主体―ある討論の記録
7 社会科学と思想
8 転向論再考

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

9
スターリニズムやドグマ的マルクス主義ではなく(そんなものはペレストロイカ以前から権威を失っていた)、積極的に改革を進めた柔軟な社会主義が受け入れられなかった事実は大きい。その重みを充分に受け止めることのないまま、極めて安易な「なし崩し転向」が生じているのではないか、という。処女懐胎やイエスの復活を信じていない者でもキリスト教徒を名乗り得るのであれば、「自由な社会主義」だって成立する余地があったのでは?との比喩は確かに面白い。著者の分析力のみならず、それを文章として表現する能力の高さにも敬服する。2022/10/22

うえ

6
「例えばあるロシア史研究者が北方領土問題に関心をもち、社会的に発言するのはその人の自由である。だが、それを他のロシア史研究者に強制しないでほしいと私は思う。例えば和田春樹氏は、1956年に日本のロシア史研究者がスターリン批判ばかりに関心を寄せ、日ソ共同宣言に関心を寄せなかったのは問題だという趣旨の発言をスラブ研究センター討論集会で行っている。これは和田氏の個人的反省としてなら理解できなくはない。だが日本のロシア史研究者全体にとってこれが問題なのだといわれるのなら、それは私の理解を超えるといわざるを得ない」2017/07/09

けふたろ

3
塩川先生はこの本の中で、極めて煮え切らない態度を示している。しかしながら、その煮え切らなさこそが、まさに割り切れない現実に対して真剣に向き合おうとする先生の姿なのだろう。先生の自己批判は、恐らく誠実であるが故に言い訳がましく響く。しかし、一つの態度で割り切る姿勢の方が、却って欺瞞に満ちているのではなかろうか。2012/06/28

森永博雄

2
旧ソ連は、マルクス主義に基づいた革命党によって生まれ、スターリン大粛清を含むジグザグの道を辿りつつ解体した。その蹉跌の経験を踏まえないままオルタナティヴは構想し得るのか、そうではないだろうという著者の意見はもっともである。これからの社会、これからの世界を考える人にぜひ読んでいただきたい本の一つである。2012/06/10

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