政策はなぜ検証できないのか―政策評価制度の研究

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政策はなぜ検証できないのか―政策評価制度の研究

  • 西出 順郎【著】
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  • 勁草書房(2020/06発売)
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  • サイズ A5判/ページ数 224p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326302918
  • NDC分類 317.1
  • Cコード C3031

出版社内容情報

なぜ「お手盛り」の評価が生まれるのか? 評価結果はいかに歪められるのか? 制度的要因を探索しつつ、因果メカニズムを実証する。

なぜ政策評価制度は機能しないのか。これまで、政策評価は身内による「お手盛り」と批判されつつも、その因果メカニズムは明らかにされてこなかった。本書では、評価に従事する行政職員の意図から実際の評価結果に至るまでの制度運用を解明し、このような運用がなされる要因を明らかにして、評価が歪んでいく構造を実証する。

内容説明

政策評価制度の本質的問題は何か?これまで、政策評価は身内による「お手盛り」にすぎないと批判されてきたが、その因果メカニズムは明らかにされてこなかった。本書では、評価をする側の行政職員がどのような意図を持ち、それがどのような評価結果に至るのかを実証的に解明しつつ、このような制度運用を生み出す要因を提示することで「いかに政策評価の結果が歪められていくのか」を明らかにする。

目次

第1部 序論(本書のあらまし;評価制度導入以前の政策評価研究;評価制度の先行研究;作為的評価行動の仮説)
第2部 評価行動の検討(作為的評価行動の探索:行動は実際に起きているのか?;作為的評価行動のモデル化:行動はどのように起きるのか?;作為的評価行動の説明:行動はなぜ起きるのか?)
第3部 制度設計の検討(現行制度の枠組:制度は作為的な行動を統制できないのか?;評価制度の成立過程:統制できない制度がなぜ設計されたのか?;評価制度の見直し過程:作為的な行動をなぜ放置するのか?)
第4部 まとめ(起こるべくして起きた作為的評価行動;政策検証の限界:政策はなぜ検証できないのか?)

著者等紹介

西出順郎[ニシデジュンロウ]
福井県庁に入庁後、シラキュース大学マクスウェル行政大学院行政学修士課程(M.P.A.)・経済学修士課程(M.A.‐Econ)をともに修了。福井県庁退職の後、琉球大学助教授、岩手県立大学教授などを務める。2018年より明治大学公共政策大学院教授。この間、早稲田大学大学院公共経営研究科博士後期課程を修了、博士(公共経営)を取得。専門は行政学、政策評価(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

とある本棚

8
官僚が政策評価を行う際に、お手盛り評価してしまうメカニズムを論じている。行政資源の獲得を目指し、実態より高い評価結果をつけたり、評価結果を既存の政策に追従するようにつけてしまうことがあることを明らかにする。私見だが、後者については昨今の官邸主導のトップダウン型の政策形成も関係あろう。現場は官邸の意向に沿わない評価をするのはなかなか難しいのではないだろうか。全体を通じて、定量・定性の両面から丁寧に論じられており、論理構成も明快である。他方、博士論文を基にしていることもあり、読み物的な面白さはあまりない。2022/06/04

わんぱら

3
非常に素晴らしい。「お手盛り」と評される政策評価制度が、なぜどのようにそうなってしまうのか、合理的選択理論や官僚理論から導出された仮説を、3つの手法で検証することによって、究明する本。堅実な方法に導かれた的確な分析は、非常に納得のいく結論を導出する。その結論として提出された問題に対する対応策はラディカルだが、結論の堅実性が対応策の必然性を支えている。実証研究の方法の適切性を評価する知見が私にはないが、適切だとすれば、政府はこの本の問題意識を真摯に受け止めて、政策評価制度の改善に乗り出すべきである。2020/06/26

Bevel

2
政策を起案する人と、検証する人が同じであれば、真面目に検証するインセンティブがなさすぎてそりゃ無理でしょ、という当たり前を丁寧すぎるくらいに論じた本。県庁出身の著者によるこういった本が、こういったスタイルで出るということ、それ自体が、社会における公共政策ないし官僚の孤立感を感じさせる。あまりにも不合理なことが起こっているので、それを支えている前提がいかにうまく機能していないかに注目がいってしまうというか、うーん。。。2021/06/18

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