近代日本の政治学者群像―政治概念論争をめぐって

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  • サイズ A5判/ページ数 344,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326301447
  • NDC分類 311.21
  • Cコード C3031

出版社内容情報

かつて「政治」とは何かをめぐって近代日本政治の学徒たち──戸沢鉄彦、潮田江次を筆頭に、田畑忍、今中次麿、大石兵太郎、掘豊彦、蝋山政道ら──が繰り広げた論争があった。だが、そのいわゆる「政治概念論争」は、丸山真男をして「ともすれば創造性のないトリヴィアリズムに堕する傾向があった」と言わしむるものであったとする否定的評価が、今日の学界にあって定着している。むしろ、論争自体忘れ去られてしまっている観すらある。
 本書は、いまだその全体像が明らかにされることなく、正当な評価も下されずじまいであったこの論

第一章 問題の所在

第二章 官立アカデミズムの形成
一 国家学=政治学の成立
ニ ブルンチュリー学説

第三章 ドイツ国家学の系譜
一 ラートゲンの政治学
ニ 小野塚喜平次の政治学
三 佐藤丑次郎の政治学
四 小括

第四章 実証主義的政治学
一 吉野作造の政治学
ニ 浮田和民の政治学
三 大山郁夫の政治学
四 小括

第五章 新カント学派
一 リッケルトとヴィンデルバント
ニ 恒藤恭の新カント学派方法論
三 高田保馬の『社会学概論』
四 今中次麿の『政治学』
五 小括

第六章 多元的国家論の受容と展開
一 高田保馬の多元的国家論
ニ 中島重の多元的国家論
三 小括

第七章 私学系政治学
一 稲田周之助の政治学
ニ 長谷川如是閑の国家批判論
三 村瀬武比古の政治学
四 弓家七郎の政治学
五 高橋清吾の政治学
六 小括

第八章 政治の集団現象説
一 蝋山政道の集団現象説
ニ 戸沢鉄彦の集団現象説

第九章 政治の国家現象説
一 潮田江次の国家現象説
ニ 田畑忍の国家現象説
三 黒田覚の国家現象説
四 今中次麿の国家現象説

第一〇章 政治概念論争
一 戸沢鉄彦による対潮田江次批判論
ニ 戸沢による対今中次麿批判論
三 戸沢による対田畑忍批判論
四 戸沢による対佐藤丑次郎批判論
五 戸沢による対黒田覚批判論
六 戸沢による集団現象諸説に関する批判的評価
七 戸沢による蝋山政道に関する評価
八 政治概念論争の周辺

第一一章 戦後政治学の幕開け
一 論争にかかわった研究者たち
ニ 論争に関する批判的評価
三 小括

第一二章 むすびにかえて


索引

内容説明

「政治」とは何か。日本近代政治学は、まさに「政治」の概念規定をめぐる歴史であった。数多の政治学者を動員し、科学としての政治学の確立を目指して争われた論争―政治概念論争―を中心に振り返り、日本近代政治学の全容に迫る。

目次

問題の所在
官立アカデミズムの形成
ドイツ国家学の系譜
実証主義的政治学
新カント学派
多元的国家論の受容と展開
私学系政治学
政治の集団現象説
政治の国家現象説
政治概念論争
戦後政治学の幕開け
むすびにかえて

著者等紹介

大塚桂[オオツカカツラ]
1960年神奈川県生まれ。1984年日本大学法学部卒業。現在、駒沢大学法学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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