出版社内容情報
冷戦という国際秩序が崩壊したことによって、半世紀にわたって固定されてきたグローバルな戦略観や外交政策の骨組みが、根底から覆された。とりわけ米国では政府機関・政策シンクタンクによる途上国支援プログラムが、人権・環境問題などを主体的に取り上げるようになり、情報機関もかつての社会主義国に関する情報収集ではなく、経済情報や麻薬情報に関心を移すなど、安全保障論の見直しが急速に進むことになった。本書は、こうした安全保障問題の新しい領域を探り、新安全保障論を展開するための基本的な問題点を考察した。
内容説明
アイデンティティ、人権、ジェンダーからグローバル・エコノミー、環境、協力的安全保障論まで、未知の領域を解明し、新たな安全保障論の基礎を提示。
目次
1 「ヒューマン・セキュリティ」の論理(アイデンティティから観た安全保障論;民主国家と安全保障;ジェンダーと安全保障―何が問題か)
2 安全保障問題の新しい領域(経済安全保障論の意義とその展開;環境安全保障と国際統治;勢力均衡と協調的安全保障―過渡期の安全保障体制)
3 地域的安全保障の体制(欧州安全保障体制の再構築;東アジアの安全保障―内包する危機と同盟・多国間安保枠組み;米朝交渉とゲーム論的接近;海外紛争と日本の危機管理―邦人・外国人非戦闘員の救出と難民救援をめぐって)
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