なぜ自殺は減らないのか―精神病理学からのアプローチ

電子版価格
¥2,860
  • 電子版あり

なぜ自殺は減らないのか―精神病理学からのアプローチ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 231,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326299027
  • NDC分類 493.71
  • Cコード C3011

内容説明

“中心”不在のクライシス。年間3万人の大台こそ割ったものの、若年層ではむしろ増加している自殺。その背景には何があるのか。ポストモダンの精神病理を手がかりに果敢に切り込む。

目次

第1章 不可解な死
第2章 物語とその限界―古典的プロトタイプ
第3章 心的・社会的複合としての自殺
第4章 攻撃性とその変容
第5章 物語とその変容―いじめからみえてくること
第6章 気分性とその変容
第7章 なぜ自殺は減らないのか
第8章 間違いだらけの心理療法

著者等紹介

大饗広之[オオアエヒロユキ]
香川県高松市出身。1981年、広島大学医学部卒業。静岡県立病院養心荘(こころの医療センター)、大垣市民病院精神神経科、名古屋大学医学部精神科講師を経て、日本福祉大学子ども発達学部心理臨床学科教授。医学博士。専門、精神医学、精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

24
自殺研究論の参考資料として読了。戦後による来歴の否定からポストモダンにおける大きな物語へ依拠できずに「自分でもあるがその実感がない」多々ある役を演じて暮らすやり場のない憤りから帰結する虚しさはすとんと腑に落ちます。息抜きも出来ず、狭い世界観へと固執してしまい、底なし沼のような気分になる鬱病傾向が当て嵌まって怖かったです。ナルシシスの者の舞台へ突然、苛められ役として引っ張り出せれてもその世界が絶対と思ってしまい、弾かれることを恐れて抜け出せないというジレンマ。しかし、昔の苛めについての対比は腑に落ちません。2013/06/27

コージー

22
★★★★☆この本は「なぜ自殺が減らないのか」を、著者が専門とする精神病理学から明らかにし、解決に向けての手がかりを示したものです。個人の症状に直結する解決策が書かれているわけではないですし、内容が難しいため、強くおすすめしません。しかし、社会システムの変化やいじめの構造などからひも解いていく展開は、非常に興味深い内容でした。【印象的な言葉】過去を否認することによって、ますます中心は揺らぐようになって、そうなるとさらにトラウマに曝されやすくなるといった悪循環を招いてしまう。2019/07/31

ぽんぽこ

1
「大きな物語」(みんなが目指す目標みたいなものでしょうか)を失ってしまったために自死が増えているというのが著者の主張。これが多様性の弊害でしょう。ダイバーシティが持て囃される現代、ますます事態は悪化しているかもしれないと思うとゾッとします。今は学校がイジメを必要以上に恐れすぎて排除しようとしますが、そのせいでイジメが助長されているというのが驚愕でした。今回は子供の問題だったので、次は大人の自殺についての本を読みたいです。2024/07/31

aaaaki

1
なぜ自殺は減らないのか、客観的に理化学的に説明する。けど、理化学的に説明できないという理論説明。コレという何かが原因ではない。それがハッキリしていたら自殺なんかしないし、その問題解決しようと試みるだろう。何かが分からないからモヤモヤしてこれ以上考えるのも面倒になってそれなら楽しいこともないし、生きるの辞めちゃおうかな。というね。これからも増えるだろうな。世界は便利になったのもまた。死ぬ方法なんて簡単に調べることもできるし。死にたいとググると相談窓口の画面が出てくるのなんてなんの気休めにもならない。2017/09/19

二月

0
なるほど彼は裕福な家庭に溺愛されて育ち、両親も協力的で、少なくとも外から見るかぎりは何不自由ない生活を送っていた。しかしそれでも、彼の人生は決定的な限界につきあたっていたのである。2022/08/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6645853
  • ご注意事項

最近チェックした商品