出版社内容情報
心理学は何を、どのように研究するのか?多くの学生が入学後に気づくイメージと実態の大きなギャップを埋める、心理学を学ぼうとするすべての人に向けた必読書!
心理学の各分野を解説した入門書や概論書は多いが、では心理学とはそもそも何を対象とした、どのような学問なのか。これまであまり取り上げられなかったこの問題に対して、その成立過程から現代へとつながる道筋を辿りつつ、心理学の根本を探る。心理学をこころざす学生が入門書や概論書に触れる「一歩手前」の地点を改めて見直す。
序 章 学問としての心理学
1 はじめに
2 心理の学と心の理学
3 本書の目的
第一章 心について考える
1 「心」の語源
2 心の三つの問題
3 古代の心観
4 現代の心観
第二章 現代心理学の姿
1 心理学の対象と方法
2 具体例――誤った信念課題
3 現代心理学の諸分野とその関係――二重四環モデル
4 心理学の四つの方法
5 基礎と応用?
6 対象と方法による統合
第三章 科学について考える
1 科学とは何か
2 一七世紀における近代科学の成立
3 二つの世界観
4 一九世紀における第二次科学革命
5 「科学的」とはどういうことか
6 科学は普遍的で絶対的な真理をもたらすのか
第四章 心理学の誕生
1 経験論哲学
2 医学における精神病理学の形成と力動精神医学の登場
3 アメリカ合衆国における社会科学の形成
4 ダーウィンによる進化論の確立
5 四つの源流から二〇世紀の心理学へ
第五章 「科学的心理学」への道
1 スピリチュアリズムとの決別
2 意識心理学の問題
3 行動主義宣言
4 操作主義の確立
5 チューリング・テスト
6 認知革命
第六章 素朴実在論と中枢主義の克服――現代心理学の課題 (1)
1 観念論と実在論
2 素朴な実在論と認知システムの目標
3 ハイデガーの存在論と認知システムの目標
4 脳はいかにして身近なものを気遣うか
5 まとめ
第七章 ギブソンの存在論――現代心理学の課題 (2)
1 アフォーダンス
2 直接知覚
3 ギブソン批判
4 ギブソンの「誤読」問題
5 ギブソンの視覚理論は汎種的なものである
6 間接知覚論と近代心理学
第八章 仏教の心観と存在論
1 仏陀の教え
2 唯識思想と存在論
3 縁起説
4 まとめ
あとがきにかえて――心の発見とアリストテレス的進化
事項索引
人名索引
内容説明
心理学は何を、どのように研究するのか。イメージと実態の大きなギャップを埋める必読書。本書は、心理学の各分野の知識を少しずつ紹介する「心理学概論」ではなく、「心理学とは何か」ということを主題にして論じたものである。
目次
序章 学問としての心理学
第1章 心について考える
第2章 現代心理学の姿
第3章 科学について考える
第4章 心理学の誕生
第5章 「科学的心理学」への道
第6章 素朴実在論と中枢主義の克服―現代心理学の課題(1)
第7章 ギブソンの存在論―現代心理学の課題(2)
第8章 仏教の心観と存在論
著者等紹介
道又爾[ミチマタチカシ]
1957年岩手県に生まれる。1988年南カリフォルニア大学博士課程心理学研究科実験心理学専攻修了(Ph.D.)。現職、上智大学総合人間科学部心理学科教授。専門は認知心理学・認知神経科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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