出版社内容情報
ブルーナーの提唱した「文化心理学」とは何か。「ナラティヴ」と「フォークペダゴジー」をキーワードとする概念を中心に検証する。ブルーナーは、著書『教育の過程』により、日本では「教育の現代化への理論的支柱の提供者」として理解された。しかしその後に著された『教育という文化』や『意味の復権』で展開した教育論によれば、その理解は正当ではない。ブルーナーの提唱した「文化心理学」と教育論の特徴を明らかにしつつ、デューイの教育論との比較も行う。
はしがき
凡例
序章 本書の研究目的と構成
1 本書の研究目的
2 先行研究に対する本書の位置
3 本書の課題と方法
4 本書の構成
第1章 「文化心理学」の形成過程1――生い立ちから第二次世界大戦まで
1 大学入学まで
2 デューク大学時代
3 ハーバード大学大学院と第二次世界大戦
第2章 「文化心理学」の形成過程2――知覚の研究から乳幼児の言語獲得研究まで
1 知覚の研究
2 思考の研究
3 教育の研究
4 発達の研究
5 乳幼児の言語獲得研究
6 まとめ――乳幼児の言語獲得研究までの「知ること」の探究の到達点
第3章 「文化心理学」の構造
1 「文化心理学」提唱の背景
2 「文化心理学」における「意味」・「解釈」・「間主観性」・「文化」
3 ブルーナーの「文化心理学」における「心」と「文化」
4 まとめ――ブルーナーの「文化心理学」の構造とそれに反映された研究関心
補節 ブルーナーの「文化心理学」における「心」と「構成主義」
第4章 形成過程から見る『教育という文化』における教育論の特徴
1 「文化心理学」と教育
2 『教育という文化』の形成過程1――就学前教育論と『教育という文化』の関連性
3 『教育という文化』の形成過程2――知覚の研究と『教育という文化』の関連性
4 「文化心理学」提唱後に展開された教育論の特徴
第5章 「2つの思考様式」と「構成主義」の吟味
1 「2つの思考様式」の吟味――思考様式の二分法を中心に
2 ブルーナーの「構成主義」の吟味
第6章 「2つの思考様式」と教育
1 「ナラティヴ」の教育的地平
2 教育における「2つの思考様式」の関係性
補節 ブルーナーの「構造」の再検討
第7章 「フォークペダゴジー」
1 「フォークペダゴジー」の概観
2 「文化心理学」提唱前の教育論に見る「フォークペダゴジー」の萌芽
3 「フォークペダゴジー」の核心――「教授」の「間主観-志向的アプローチ」
4 「フォークペダゴジー」の可能性
第8章 「デューイとブルーナー」再考の必要性
1 ブルーナーによるデューイのいう「道徳」の是認
2 「言語と経験」のデューイ解釈
3 ブルーナーとデューイの言語獲得論における関係性
4 「デューイの後」と「言語と経験」との間のデューイ解釈の差異について
5 まとめ――「デューイとブルーナー」再考の必要性
第9章 「デューイとブルーナー」再考――「文化心理学」提唱後に展開された教育論の再解釈
1 ブルーナーの「文化心理学」とデューイの「文化的自然主義」
2 「探究」についての「反省」としての「ナラティヴ」
3 「成熟と未成熟の相互作用」としての「フォークペダゴジー」の射程
4 まとめ――「文化心理学」提唱後に展開された教育論の再解釈
終章 本書の要約と今後の課題
1 本書の要約
2 本書の成果と今後の課題
引用文献一覧
あとがき
人名索引
事項索引
嶋口 裕基[シマグチ ヒロキ]
著・文・その他
内容説明
『教育の過程』を著したJ・ブルーナーの教育論は、「文化心理学」の提唱の前後でどう変遷したのか。その後の著作、『教育という文化』に代表される教育論を詳細に論究するとともに、J・デューイの教育論との比較検討も行う。
目次
序章 本書の研究目的と構成
第1章 「文化心理学」の形成過程1―生い立ちから第二次世界大戦まで
第2章 「文化心理学」の形成過程2―知覚の研究から乳幼児の言語獲得研究まで
第3章 「文化心理学」の構造
第4章 形成過程から見る『教育という文化』における教育論の特徴
第5章 「2つの思考様式」と「構成主義」の吟味
第6章 「2つの思考様式」と教育
第7章 「フォークペダゴジー」
第8章 「デューイとブルーナー」再考の必要性
第9章 「デューイとブルーナー」再考
終章 本書の要約と今後の課題
著者等紹介
嶋口裕基[シマグチヒロキ]
1983年生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科教育基礎学専攻単位取得退学。博士(教育学)。現在:名城大学教職センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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