内容説明
何をいかに選び取り、伝達するべきか。教育にかかわるこの問いに、コメニウスはどのように応えたのか。知の再編が進展した17世紀ヨーロッパに生き、『大教授学』や『世界図絵』を著したことで知られる、教育学者の思想を探究する。
目次
第1部 コメニウスにおける文字―事物主義の内実とは何か(17世紀普遍言語構想におけるコメニウスの位置づけ;17世紀普遍言語構想における事物・観念・言葉;事物が視覚化された図絵・観念が視覚化された文字―世界像の二つの伝達形式)
第2部 コメニウスにおける声―事物主義を超えるもの(コメニウスにおける「声」と「視覚」―『遊戯学校』の位置づけをめぐって;『遊戯学校』における世界構造―学校と世界の同型性;コメニウスにおける世界の表象と教育的提示―図絵・修辞・身体)
第3部 コメニウスにおける書物―教育を成立させるもの(コメニウスにおける読書論の諸様相―「書物について」から;『汎教育』における書物執筆の法則―神の三書とその手引き書としての教科書;透明な言語・不透明な知性―『光の道』における光のメタファー)
著者等紹介
北詰裕子[キタズメユウコ]
1975年生まれ。日本女子大学大学院人間社会研究科教育学専攻博士課程後期単位取得満期退学。博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員(東北大学大学院教育学研究科)、日本女子大学、新潟産業大学、首都大学東京、慶應義塾大学、武蔵大学等の非常勤講師を経て、現在、東京学芸大学教育学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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