出版社内容情報
国家と民衆の道具であった教育が、地域の「社区」教育と共に、市場経済における民衆の生活保障のための社会的セーフティネットヘと再構築される動向を丹念に追う。
中国の教育の都市部における変貌をとらえ、教育の諸現象が示す中国社会の構造や価値観と、それが市場経済化にともなって教育を再規定し、変容させている動きを追う。また、コミュニティ教育としての「社区」教育が、中国社会の変動とどのような関わりをもって、いかに社会的セーフティネットとして構築されつつあるのかを考察する。
関連書:同著者 『中国近代教育の思想的展開と特質』(日本図書センター)
プロローグ 学校に行く子、行かない子
序章 中国都市部の教育をとらえる意味
──本書の構成──
Ⅰ 教育にみる中国社会の姿
第一章 中国の教育と社会の構造
──教育現象が映し出す中国社会の特徴──
第二章 教育にみる中国社会の価値観について
第三章 日本教育の受容から見る「改革と開放」期の中国社会
第四章 教育道具主義の行方
──「改革と開放」期中国における教育研究──
Ⅱ 流動化する社会と教育の変容
第五章 学校と地域社会との連携の新しいかたち
──上海市「教育の総体的改革」と「社区」教育の展開──
第六章 「単位」社会主義から個人市場主義へ
──中国都市成人教育変容の背景──
第七章 都市部社会のセーフティネット・「社区」教育の展開
──上海市の「社区」教育を一例として──
結章 二重のセーフティネットとしての教育
あとがき
事項索引
人名索引
内容説明
大きく変質する中国の教育と背景にある社会の構造、民衆の価値観との関係を解き明かしながら、都市部において社会的セーフティネットとして構築されつつある「社区」教育の動向を追う。
目次
中国都市部の教育をとらえる意味―本書の構成
1 教育にみる中国社会の姿(中国の教育と社会の構造―教育現象が映し出す中国社会の特徴;教育にみる中国社会の価値観について;日本教育の受容から見る「改革と開放」期の中国社会;教育道具主義の行方―「改革と開放」期中国における教育研究)
2 流動化する社会と教育の変容(学校と地域社会との連携の新しいかたち―上海市「教育の総体的改革」と「社区」教育の展開;「単位」社会主義から個人市場主義へ―中国都市成人教育変容の背景;都市部社会のセーフティネット・「社区」教育の展開―上海市の「社区」教育を一例として)
二重のセーフティネットとしての教育
著者等紹介
牧野篤[マキノアツシ]
1960年愛知県に生まれる。1983年名古屋大学教育学部卒業。1988年名古屋大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。