出版社内容情報
加藤 陽子[カトウ ヨウコ]
著・文・その他
内容説明
開戦に至る論理の道筋を正しく見極めるために。戦争にまつわる書物を縦横に読み書き時代の様相に鋭く迫る待望の書評集。
目次
1 本の声を聴く(吉村昭『彰義隊』;伊藤之雄『明治天皇』;戸部良一『日本の近代9 逆説の軍隊』 ほか)
2 潮流をつかむ(明治維新の再解釈進む;今、日露戦争を振り返る意味;回帰する一九三〇年代論 ほか)
3 本はともだち(本はともだち;愛書日記―本よみうり堂;戦争を決意させる瞬間)
著者等紹介
加藤陽子[カトウヨウコ]
1960年埼玉県に生まれる。1989年東京大学大学院博士課程修了(国史学)。東京大学大学院人文社会系研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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昭和っ子
21
近代史に興味が出て来た者にとって、著者は希望の灯台です。こんな方達をちゃんと取り上げていてくれてたなんて、やっぱり東大はスゴイんだ!と素直に思います。学生が減って大学が大変なら、いい歳の大人が勉強したっていいじゃないか、とも思います。「現在のアジアと日本の間に生じる憤怒と軽蔑の連鎖を、理解と敬愛の連鎖へと変えうるのではないかとの仄かな希望を我々に抱かせる稀有な本」と評された山室信一「日露戦争の世紀」を手を出さずにおられようか。2014/11/02
Hiroh
3
前半は戦争関係の専門書の書評を専門雑誌等に書いた物なので難しすぎた。中盤からは一般向けなので楽しく読め、読みたい本がまた増えてしまった。2004年ごろまでの文章が中心なので約10年が経ったことになる。そこからの10年でよりいっそう「『戦前』の雰囲気」が強くなっていることに暗澹とする。2014/07/26
CTC
1
『それでも日本人は「戦争」を選んだ』の加藤陽子さんによる書評集。書き下ろしではなく様々な紙誌での評を寄せ集めているので、読み難いこと甚だしいが、著者のただならぬ見識とバランス感覚を伺える内容だ。 実は私はこの度、20年振りに図書館なるものを利用した。この本は税金で購われたものを、市民としての当然の権利を行使して読んだわけだが…やっぱり金払って読むのとは違うものがありますね。ドッグイヤーも出来ないし、味わって読む感じにはならない。ま、そういう類の本だからこそ借りたのだが、メモ取りつつ読むほどでもないしねえ。2015/06/26
mononofu
1
歴史好きであれば次々と読みたい本が増えていく一冊。前半は専門的な本を、後半は週刊現代等での書評ということで少し柔らかめの本も混じってくるという構成。前半は専門家とはどういった本を読むのかという好奇心を、後半は著者の本好きな側面をそれぞれ楽しむ事ができるのではないだろうか。個人的には著者の小気味良い文章の中に現れる可愛らしさがとても印象に残った。数多くの読みたい本が現れたので時間をかけてゆっくり読んで行きたい。2013/02/20
shushu
1
何しても一つの研究をする、大変なことで、多くの目配り、視点を持たなくてはいけない、ということを感じる本。ふつーのマスコミやネットで言いたてられていることだけでは、何も知らないことと一緒であると反省。2012/11/17