出版社内容情報
古代オリエントの遺跡などから出土する、楔形文字の多彩な資料。そこに見える古代西アジアの姿を現前させるアッシリア学の最前線。
いまも新たな発掘が進み、そこから出土する楔形文字で記された資料から、古代西アジアの歴史、文化、社会のありようなどが新しい姿が見えてくる。楔形文字資料を精密に読み解き、そこで展開される古代の人びとの営みを現在に鮮やかに浮かび上がらせる、アッシリア学の多彩な最前線をまとめる論集。
【目次】
まえがき
第Ⅰ部 シュメール・バビロニア・アッシリア
1 都市国家ラガシュのガラに関する一考察[唐橋文]
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.哀悼・追悼の儀式
Ⅲ.ガラのジェンダー
Ⅳ.ガラの職務兼担:ギシュガルシのケース
Ⅴ.おわりに
2 シュメール都市国家の国名――ウンマとラガシュ[前田徹]
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.GI?.UH3kiはギッシャと読むべきか(※3は下付き文字、※kiは上付き文字)
Ⅲ.ウル第三王朝時代のラガシュの国名はギルスか
Ⅳ.おわりに
3 シュメールにおける湿地帯の耕地開発[前川和也]
Ⅰ.大沼沢地帯の開発
Ⅱ.沼沢地帯:LAGABxA(abbar/sug)と?i?-gi
Ⅲ.沼沢地の開発
Ⅳ.gu4-suhub2とki-duru5(※4は下付き文字、※2は下付き文字、※5は下付き文字)
Ⅴ.湿地帯における〈農業革命〉
4 シュメールウル第3王朝期粘土板の円筒印章の押印について[森若葉]
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.京都大学総合博物館所蔵ウル第3王朝期粘土板の押印
Ⅲ.封筒の印影とエッジ部分の印影
Ⅳ.おわりに
5 1人称対3人称──アダド・ネラリ3世のテル・アル=リマ出土碑文における人称交替と書記術[山田雅道]
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.リマ碑文の構成とテクストの一部削除
Ⅲ.西方遠征のテクストとその構成
Ⅳ.1人称対3人称:「アスペクト説」のすすめ
Ⅴ.おわりに
6 紀元前7世紀アッシュルにおけるエジプト人共同体の独立性と同化に関する考察[菊地咲]
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.新アッシリア時代の裁判と裁判文書
Ⅲ.新アッシリア時代の婚姻と婚姻関係に関する文書
Ⅳ. 「エジプト人アーカイブ」とアーカイブ内の裁判・婚姻関係に関する文書
Ⅴ.婚姻関係に関する手続きの日取りと出自の関係
Ⅵ.結論
7 ギルガメシュの「最初の問題」を研究の新基盤とともに考える[渡辺和子]
Ⅰ.『ギルガメシュ叙事詩』の2つの版と研究の新基盤
Ⅱ.ギルガメシュの「最初の問題」
Ⅲ.おわりに
8 アッシリア王碑文における「王権(?arr?tu)」と「支配権(b?l?tu)」[青島忠一朗]
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.王碑文における「王(?arru)」と「支配者(b?lu)」
Ⅲ.王碑文における「王権(?arr?tu)」と「支配権」(b?l?tu)」
Ⅳ.まとめ
9 ニネヴェのイシュタルのアキートゥ祭[柴田大輔]
Ⅰ.序
Ⅱ.ニネヴェのイシュタルのアキートゥ殿の歴史と推定位置
Ⅲ.ニネヴェのイシュタルのアキートゥ祭
Ⅳ.ニップル祭儀からの転用
内容説明
「古代西アジア学」の最前線。多彩な文字資料・考古学資料・図像等の精緻な読み解きから古代の姿を紡ぎ出す。
目次
第1部 シュメール・バビロニア・アッシリア(都市国家ラガシュのガラに関する一考察;シュメール都市国家の国名―ウンマとラガシュ;シュメールにおける湿地帯の耕地開発;シュメールウル第3王朝期粘土板の円筒印章の押印について;1人称対3人称―アダド・ネラリ3世のテル・アル=リマ出土碑文における人称交替と書記術;紀元前7世紀アッシュルにおけるエジプト人共同体の独立性と同化に関する考察;ギルガメシュの「最初の問題」を研究の新基盤とともに考える;アッシリア王碑文における「王権(šarr ̄utu)」と「支配権(b ̄el ̄utu)」
ニネヴェのイシュタルのアキートゥ祭
シッパルにおける文書の作成―ナディートゥムの持参財と財産相続
中期バビロニア文書におけるプルックー(purukkû)とブルクートゥ(burk ̄utu)について
エラム語文献に見る像zalmuを巡る一考察
前1千年紀バビロニアにおける女性と男性の人名と名付け)
第2部 ヒッタイト、シリア、地中海世界(ビュクリュカレ遺跡は古代都市ネナッサか?;宗教と政治の戦略的儀式―ヒッタイト語文書から見る聖書の即位儀礼;ヒッタイト文書に現れる金属製の人物像について;交易路結節点―新都市マリ建設の背景;「初期ハナ王国」―マリ没落後のユーフラテス中流域の歴史と文化についての覚書;パルミラの墓内彫刻にみられる履物について;エマルにおけるシリア型とシロ・ヒッタイト型文書に関する捺印からの考察―平山コレクションを中心に;父祖物語にみる婚姻記事と古代オリエントの法慣習;ウガリト語の一呪文文書に反映された厄払いの呪術)
第3部 古代西アジア研究と現代(西ユーラシア古代の歴史像を求めて―アルシャク朝史からの展望;バビロンのカスル出土の2枚の粘土板文書;ジェンダー史研究―アッシリア学の場合)
著者等紹介
唐橋文[カラハシフミ]
中央大学文学部教授
青島忠一朗[アオシマチュウイチロウ]
中央大学人文科学研究所客員研究員
渡井葉子[ワタイヨウコ]
関西大学文学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



