出版社内容情報
世界的な貿易自由化とネオリベラリズムを背景に大きく再編する先進諸国の農村を、「多機能レジーム」という新たな視点から捉え直す。
農村地理学は生産主義からポスト生産主義という既存のパラダイムを超えられるか。本書は、フランス中央高地を中心に「多機能レジーム」として作用する農業・農村政策の政治性に注目、ローカルな農家がどのように大きな文脈に規定され変容しているのか、多機能化による農村機能がいかにローカルで発現しているかを明らかにする。
内容説明
農村地理学は、生産主義からポスト生産主義へという既存のパラダイムを超えられるか。世界的な貿易自由化とネオリベラリズムを背景に大きく再編する先進諸国の農村を、「多機能レジーム」という新たな視点から捉え直す。
目次
「多機能化」する現代農村
第1部 農業・農村変容を捉える新たな射程(「ポスト生産主義論」から「多機能論」へ;「多機能論」の応用と本書の視点)
第2部 フランス農業の変容(フランス山村と農業政策;フランス山村農業の特性―山地畜産の経営戦略;フランス山村農家の変容―政策による農業改変)
第3部 フランス農村の変容(農村と地域ブランド―農産品のローカルな伝統性;農村とツーリズム―文化資源とランドネ観光;農村と田園回帰―なぜ人々は農村へ向かうのか)
多機能論からみる農村変容のパラダイム
著者等紹介
市川康夫[イチカワヤスオ]
1984年長野県生まれ。埼玉大学人文社会科学研究科/教養学部・准教授。筑波大学生命環境科学研究科修了。博士(理学)。人文地理学、フランス地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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