出版社内容情報
紀元200年以後約五世紀の間，日本が朝鮮の国々を支配したという日本古代史における文献の歪曲，事実の顛倒を「任那問題」を中心に記述し，歴史的真実を明らかにする。
日本古代史学界への革命的問題提起！
雑誌 ｢統一評論｣ で一部を、そして校正刷で全部を読んだ。
興味津津。いまなお、余りに多くの未知の領域をもつ日本
古代史に、まったく新しい角度から刺戟的・革命的な問題
が力づよく投げかけられた。これに日本の学者がどのように
応対するか、門外漢である私も、胸がおどる思いである。
双方による、冷静厳密な追求によってのみ、真実は明らか
になるであろう。その歴史的事実の認識の上において、相隣
する両民族のあいだの正しい理解友交が成立する。
作家 阿 部 知 二
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【目次】
序論 初期朝日関係の諸資料
第1節 文献資料と金石文
第2節 朝日両地帯の状態と日本の学者がつくりあげた
いわゆる任那問題
第3節 朝日両地帯の考古学資料
前篇 三韓三国移住民の日本列島進出
第1章 日本の弥生文化
第1節 弥生文化とその年代
第2節 弥生文化の遺跡
第3節 弥生文化の遺物
第4節 日本の挑戦式山城と弥生文化の朝鮮的性格
第2章 日本の神話伝説に伝わる朝鮮住民の西日本進出と
朝鮮系統小国の形成
第1節 日本の天降神話に反映された朝鮮移住民の北九州進出
第2節 出雲神話
第3節 天日槍説話と都怒我阿羅斯等説話
第4節 朝鮮移住民の進出と朝鮮系統小国の形成
第3章 日本の古墳文化
第1節 日本の古墳文化とその年代
第2節 前期古墳の分布
第3節 前期古墳構造にみられる朝鮮的性格
第4節 日本古墳の副葬品に反映された朝鮮的性格
第4章 西部日本の朝鮮系統の諸王国
第1節 北九州地方の倭王国
第2節 吉備地方の倭王国
第3節 畿内大和の倭王国
後篇 初期朝日関係文字資料の再検討
第5章 5世紀ごろまでの朝日関係
第1節 朝鮮史料からみた5世紀末までの朝日関係
第2節 中国史書からみた朝日関係
第3節 『日本書紀』にあらわれた5世紀末ごろまでの朝日関係
第6章 6～7世紀前半期の朝日関係
第1節 朝日関係の転換
第2節 いわゆる任那問題の正体
第3節 日本への仏教伝播過程からみた朝日関係
結 語
