出版社内容情報
クワインと並ぶ戦後アメリカを代表する哲学者の主論文本邦初訳。心の哲学における「機能主義」はまだ克服されていない。
著者は1912年生まれ1989年没。元ピッツパーグ大学教授。戦後のアメリカでは大きな影響力をもったが、日本では知られていない。その理由は著作の晦渋さにあるようだ。翻訳が難しいのである。今回は1963年刊の論文集から「哲学と科学的人間像」「理論の言語」「経験論と心の哲学」の三本を訳出した。'
[関連書] シリーズ 心の哲学Ⅰ人間篇
シリーズ 心の哲学Ⅱロボット篇
シリーズ 心の哲学Ⅲ翻訳篇 (小社刊)
第一章 哲学と科学的人間像
1 哲学的探究
2 日常的人間像
3 古典的哲学と日常的人間像
4 科学的人間像
5 人間像相互間の衝突
6 科学的像の優位──序説
7 科学的像に人間らしさを付与すること
第二章 理論の言語
1 導入部
2 意味論的ないくつかの区別
3 微視的理論における説明
4 対応規則再論
第三章 経験論と心の哲学
1 感覚与件説の多義的な面
2 もう一つの言語?
3 「見かけられる」の論理
4 見かけを説明する
5 印象と観念:論理的な問題点
6 印象と観念:歴史的な問題点
7 「意味している」の論理
8 経験的知識に基礎はあるか
9 科学と日常用法
10 私的な出来事:問題設定
11 思惟:古典的見解
12 われらがライル的祖先たち
13 理論とモデル
14 方法論的行動主義対哲学的行動主義
15 私的な出来事の論理:思惟
16 私的な出来事の論理:印象
訳者解説(中才敏郎)
訳者あとがき(中才敏郎)
人名索引/事項索引
内容説明
クワインと並ぶ戦後アメリカを代表する哲学者の本邦初訳。心の哲学における機能主義は、まだ克服されていない。
目次
第1章 哲学と科学的人間像(哲学的探究;日常的人間像;古典的哲学と日常的人間像 ほか)
第2章 理論の言語(導入部;意味論的ないくつかの区別;微視的理論における説明 ほか)
第3章 経験論と心の哲学(感覚与件説の多義的な面;もう一つの言語?;「見かけられる」の論理 ほか)
著者等紹介
セラーズ,ウィルフリッド・S.[セラーズ,ウィルフリッドS.][Sellars,Wilfrid Stalker]
1912‐1989。アメリカ合衆国のミシガン州、アナーバーに生まれた。ミシガン大学で教育を受け、1934年には、オックスフォード大学のオリエル・コレッジに入学。その後、1951年にはミネソタ大学哲学教授となり、1958年にはイエール大学に移り、1963年にはピッツバーグ大学の哲学教授となり、終生その地位にあった。1956年にロンドン大学で行なった「所与の神話」と題する講義で、感覚与件説に代表される基礎づけ主義を批判し、その後の英米哲学に大きな影響を残した
神野慧一郎[カミノケイイチロウ]
1932年生。京都大学文学部卒。大阪市立大学名誉教授
土屋純一[ツチヤジュンイチ]
1937年生。京都大学文学部卒。金沢大学名誉教授。東海学園大学教授
中才敏郎[ナカサイトシロウ]
1948年生。大阪市立大学文学部卒。大阪市立大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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