出版社内容情報
1927年の著作の翻訳。物理的対象についての言明をセンス・データに還元する現象主義の方法を心的存在に適用したもの。意識や主体を自立的な実体を見なすことは拒否される。
・・・彼が打ちたてようと望んだのは、知識の基礎に関し
ては経験主義の伝統を引き継ぎ、方法的基準としては
『数学原理』の普遍的な論理を背景にもち、その結果
として、それ自身として整合的な体系的理論であると
ともに、同時代の最も先端的な物理学並びに心理学の
諸理論とも両立しうるような哲学であった。
「解説」 より
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【目次】
講義Ⅰ 最近における 「意識」 の批判
講義Ⅱ 本能と習慣
講義Ⅲ 欲求と感情
講義Ⅳ 生体における現在の出来事への過去の歴史の影響
講義Ⅴ 心理学的および物理学的因果法則
講義Ⅵ 内 観
講義Ⅶ 知覚の定義
講義Ⅷ 感覚とイメージ
講義Ⅸ 記 憶
講義Ⅹ 語と意味
講義ⅩⅠ 一般的観念と思考
講義ⅩⅡ 信 念
講義ⅩⅢ 真と偽
講義ⅩⅣ 情動と意志
講義ⅩⅤ 心的現象の特徴
内容説明
現象主義の分析方法を心的な存在に適用する。それ自身では心的でも物的でもない〈中性的要素〉から心の構成を考える。
目次
1 最近における「意識」の批判
2 本能と習慣
3 欲求と感情
4 生体における現在の出来事への過去の歴史の影響
5 心理学的および物理学的因果法則
6 内観
7 知覚の定義
8 感情とイメージ
9 記憶
10 語と意味
11 一般的観念と思考
12 信念
13 真と偽
14 情動と意志
15 心的現象の特徴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoshi
2
「哲学入門」時に仮定していた素朴な二元論を否定して、性質二元論へ移行した理由が知りたかったが、ウィリアム・ジェームズに影響されたということ以上はよくわからない。 単に当時の最新の考え方を取り入れたかったというだけだろうか? ウィリアム・ジェームズは心理学と形而上学を分けて、両者で説明の仕方を変えている。性質二元論という形而上学が科学にとって何か意味を持つかは疑問と感じる。2023/09/15
火
0
かの有名な「世界五分前仮説」について触れてみたくて読んだが、実際には著者的には軽い思考実験みたいなもので、ほとんど文中で触れられていなかった…… ただ、記憶やイメージという当たり前のように普段認識しているものがいかに形成されるのかという一つの考え方として哲学的な面から触れられたのは良かった。 哲学書も簡単なものからでも読んでいくべきだなとも思ったが……2024/12/04