植物の生の哲学―混合の形而上学

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植物の生の哲学―混合の形而上学

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326154616
  • NDC分類 112
  • Cコード C3010

内容説明

種が落ちた場所から動くことなく一生を過ごす植物は、光合成により酸素を作り出し、あらゆる生物が住まう環境を整える。つまり植物は世界と溶け合い、世界を作り出し、世界に存在している。動物の哲学も存在論的転回もやすやすと超えて、植物の在り方から存在論を問い直す哲学エッセイ。モナコ哲学祭賞受賞作。

目次

1 プロローグ(植物、あるいは世界のはじまり;生命領域を拡張する;植物、または息づく精神;自然の哲学のために)
2 葉の理論―世界の大気(葉;ティクターリク・ロゼアエ;空気のただ中で―大気の存在論;世界の息吹;すべてはすべての中に)
3 根の理論―天体の生命(根;最も深いところにあるもの、それは天体である)
4 花の理論―理性のかたち(花;理性とは性のことである)
5 エピローグ(思弁的独立栄養について;大気のごとくに)

著者等紹介

コッチャ,エマヌエーレ[コッチャ,エマヌエーレ] [Coccia,Emanuele]
パリの社会科学高等研究院(EHESS)准教授。研究分野は中世哲学、キリスト教的規範性の歴史と理論。フライブルク大学准教授を経て現職。著書『植物の生の哲学―混合の形而上学』で、モナコ哲学祭賞受賞

嶋崎正樹[シマザキマサキ]
仏語翻訳家・放送通訳

山内志朗[ヤマウチシロウ]
慶應義塾大学教授。倫理学専攻。山形県生まれ。研究分野は、西洋中世・倫理学、バロックスコラ哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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アキ

96
宇宙を視座にして地球単位で植物について哲学する興味深い本。植物は生存のために他の生物を必要としない。一方動物の身体は植物が産み出した有機物で構成される。植物は何よりも葉が中心であり、幹や根は葉の一部でその延長である。地球の大気を変化させたのは植物の葉であり、私たちは地上の居住者ではなく、大気の中で暮らしている。あらゆるものは呼吸し、すべては息吹である。人間は地面ではなく、天空の植物、根を中空に向けたある種さかさまの植物なのだ。哲学とは大気のようなものだ。西洋哲学にはなかった発想。伏見大社で着想したという。2022/07/23

鵐窟庵

8
植物の生態をモチーフに著者の専門である中世哲学を織り交ぜた議論を展開している。根、葉、花、といった植物の部位それぞれについて、ミクロコスモスからマクロコスモスまで繋がるアナロジズムの世界観が掲げられる。相互浸透すること、相互包含すること、理性的であること、などの概念が展開される。植物は長らく西洋哲学の中では取り上げられてこなかった。動物中心主義とりわけ人間中心主義が批判される意味でも植物の哲学は重要である。ただし、方法論として本書はアナロジズム的ではあるもののアニミズム的ではないため当事者性を観たかった。2020/08/19

♨️

5
植物を範に取り、われわれ生物が世界内にただ存在するのではなく、存在可能な領域としての世界を創造しつつ存在していること、わたしの中で世界が作られながら世界によってわたしが作られているという混合ないし「相互内在」とも呼べよう事態を存在論として構造する。呼吸と光合成の器官として「葉」は存在と創造との同時性の範例となり、「根」は太陽から受け取ったものを大地に反転させ重力に逆らい反-世界を地中に刻み込むものとなる。「花」は自己自身の生には不要でありながら他者と触れ合い相互の変容を促す「性」の器官として語られる。2022/11/03

M

5
死への過程で永遠性を見出そうとする従来の西洋の伝統的な人間観から離れ、植物という身近にありふれた生命を扱うことにより、題にあるように人間では意識しにくい混合という集合的な関係を浮かび上がらせ、植物の諸器官と世界との接点を照らし合わせることによって、その境界領域がいかに生命に満ちたものとなっているのかを感覚的に把握できる。厳密な批判検証のための哲学から、岡倉天心の「茶の本」やメーテルリンクの「花の知恵」を読んだ時に把握できた知識、あるいは数々の詩に見られるような命を元にした生への明白な志向性が見てとれる。2020/02/02

Kyohei Matsumoto

4
タイトルが気になって読んでみた。最初は月並みな議論かなぁなどと思ったが読み進めていくうちに、マインドフルネスとは、植物的であることなのかもしれないという考えが次第に生まれてきたし、西田幾多郎の純粋経験や絶対矛盾的自己同一、逆限定という概念は植物を通してより具体化されるのかもしれないとも思った。植物を哲学的に思考するとどんどん仏教的になっていくような気がするのは、生命ということの純粋な存在が植物だからかもしれない。あと、花についての考察が面白かった。「性とは理性的なものだ」というテーゼは大変興味深かった。2020/05/10

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