出版社内容情報
バークリの観念論とはどのようなものだったのか?『原理』(『人知原理論』)のテキストを丁寧に読み解き、わかりやすく解説する。
バークリは自らの立場を「物質否定論」と呼んで論陣を張り、それによって懐疑論と無神論の蔓延に対抗した。本書では『原理』のテキストを読みやすく独自に訳して丁寧に引用しながらその基本論理を明らかにし、先行するデカルトやロックの議論との関わりなど、歴史的な背景とともに詳細に解説。その思想の光と影を鮮明に描き出す。
内容説明
バークリの観念論とはどのようなものだったのか?みずから「物質否定論」と呼んだその立場をテクストを独自に訳出しながら丁寧に読み解き、歴史的な背景とともに詳細に解説。その思想の光と影を鮮明に描き出す。
目次
第1章 「序論」を読む―『原理』の目的と、「抽象観念」説批判
第2章 誤読を解く―「エッセ・イズ・ペルキピー」は物質否定論の核心部分ではない
第3章 物質否定論の核心部分―「似たもの原理」と「マスター・アーギュメント」
第4章 神と自然法則―物質のない世界
第5章 反論と答弁―一四の反論に答えて
第6章 物質否定論のメリット―懐疑論と無神論を退ける
第7章 バークリの抽象観念説批判・再考―心像論的「観念」理解が無視したもの
第8章 物質否定論の歪みの構造―バークリ思想の影
終章 新たな創造的提案としての物質否定論―バークリ思想の光
著者等紹介
冨田恭彦[トミダヤスヒコ]
1952年香川県に生まれる。1981年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学、博士(文学)。ハーバード大学客員研究員、京都大学大学院人間・環境学研究科教授、同研究科長などを経て、京都大学名誉教授、同志社大学嘱託講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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