出版社内容情報
古代ローマからグローバリゼーション後まで、長年、世界銀行で不平等を計量してきた専門家がやさしく語る、方法論の基礎と世界の現状
内容説明
グローバリゼーションで世界は不平等になったのか?ローマ帝国の所得格差はどれ程なのか?数々の思い込みを数字で覆し、精確に理解するための必修知識。
目次
第1章 不平等な人々―国家内の個人の不平等(ロマンスと富;アンナ・カレーニナはアンナ・ヴロンスカヤになれたのか;史上最高のお金持ちは誰か ほか)
第2章 不平等な国々―世界の国家間の不平等(なぜ、マルクスは道を間違えたのか;今日の世界はいかに不平等か;「生まれ」は所得の決め手か ほか)
第3章 不平等な世界―世界の市民の不平等(あなたは世界の所得分布のどこにいるのか;世界に中間層は存在するか;アメリカ合衆国とEUの違いは何か ほか)
著者等紹介
ミラノヴィッチ,ブランコ[ミラノヴィッチ,ブランコ][Milanovic,Branko]
世界銀行の研究部門のリードエコノミスト、メリーランド大学教授。専門は所得分布、不平等の計測
村上彩[ムラカミアヤ]
翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
24
2011年初出。核心的な問題は、どうやって不平等を測定すべきか、ということ(34頁)。今日の不平等は、19Cおよび20Cの大半の状況よりも、はるかに拡大。極めて不平等な世界。個人間の不平等が国籍で説明できてしまう(98頁)。ルーカス・パラドックス:貧国の富裕層が自分の お金と生命を心配して外国に投資しているから。グローバリゼーションに特有の現象という(102頁)。この逆説は初めて知った。原注によると、労働力についてもスキルある人は欧米に移住(ⅹⅵ頁5)。2015/07/21
うぉ
12
豊かさは8割方生まれる国によって決定される、らしい。2019/06/03
白玉あずき
5
こんなに一所懸命読んでも、若いころと違って血肉にはならないし、あっという間に忘れるんだろうな・・・残念。パレート、クズネッツ、ロールズすらまともに読んでいなかったので、難しい数式が無いにも関わらず手強かったです。一つ意外だったのは、グローバリゼーションによって、国家間の格差が一段と広がったということ。国内格差、国家間格差共に大きくなったとは知らなかった。かつてはマルクスの「階級闘争」だったものが、今では世界的に同質な労働者階級はとっくに消滅してしまったと、なるほどなあ。国内格差が広がれば暴動、国家間格差が2013/01/24
メルセ・ひすい
4
共産主義って?人民の総幸福のためなのではないの?それがなぜ公害垂れ流し?格差膨大!幹部の息子が留学フェラーリ!赤い中国で格差が膨大で不満が鬱積している。漢民族だけ優遇 共産党政府曰く…共産主義を目指しているとか? 過去の歴史にまで遡って考察する。★不平等な人々 不平等な国々 不平等な世界 グローバリゼーションで世界は不平等になったのか。ローマ帝国の所得格差は。数々の思い込みを数字で覆し、必修知識を提供。長年、世界銀行で不平等を計量してきた専門家がやさしく語る、方法論の基礎と世界の現状。2013/02/12
chiro
3
不平等というものをどう捉えるかをベースに地域別にその内容を掘り下げ分析すると共にそれが人々にどの様な影響を与えるかを考察した著作。この著作を読む事でそもそも平等は何であり、それがある意味人々が生活するにあたり望ましいものを与えないのではないかという事を考えさせられると同時に現今の不平等、いわゆる格差が生じせしめているものと比較する時にこの問題はとても難しいものであると改めて感じさせられた。2024/04/11