出版社内容情報
従来のフィクション論の紹介・検討を通して、本書ではごっこ遊びにおいて参加者にさまざまな想像を指定する小道具の役割を果たすという点にフィクションの本質を見出す。映画・演劇・絵画・彫刻などの視覚的な作品も含む包括的なフィクション論の構築を視野に収めつつ、言語作品をめぐるフィクションの分析を完成させ、クリアな展望を示す。
内容説明
視覚的な作品も含む包括的なフィクション論を視野に収めつつ、さらに精緻な理論の構築を目指した改訂版!作者と語り手との分離という事態を手がかりに、分析哲学の立場から「フィクションとは何か?」に挑む。
目次
序論 フィクションを問うということ
第1章 フィクションの統語論
第2章 フィクションの意味論
第3章 フィクションの語用論(一)主張の差し控えと偽装
第4章 フィクションの語用論(二)「フィクションを語る」という行為
第5章 フィクションの語用論(三)ごっこ遊びの理論
第6章 フィクションのなかでの真理
第7章 フィクションの意義と意味
結語
著者等紹介
清塚邦彦[キヨズカクニヒコ]
1961年群馬県に生まれる。1992年東北大学大学院文学研究科単位取得退学、博士(文学)。現在、山形大学人文社会科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ニッポニテスは中州へ泳ぐ
6
☆=4/5 ①虚構作品内で成立している真理と②演出 は別概念として捉えるべきという分析が面白い(①何が真理なのか②どの様に真理が描かれているか)。 少女漫画によくあるデカ目作画を見て「この漫画の登場人物達は、眼球が手の平と同じサイズであるという設定の可能世界に住んでいる」との判断を下すのは不当。そうでなくデカ目作画は「少女の瞳の美しさや内奥にある感情の発露を見やすくした演出」と考えるのが穏当。 最近ウテナとピングドラム観終わったのでこの辺の議論はすんなり腑に落ちた(演出と真理が混濁したアニメだった)2021/11/16
hryk
0
ウォルトンちゃんと読まなきゃいけないな。2017/07/13