内容説明
私たちの社会性はどこからくるのか?言語ゲーム論や言語行為論を新しく前進させ、規範とゲームの分析を通して集団内での人間の行為の形成を解明する。刺激的な社会存在論入門。
目次
1 言語哲学を基盤にした社会的現実性の分析(言語ゲームと法;言語行為論と行為の社会理論;サールの社会存在論)
2 規範とゲームについての哲学的分析(規範体系とは何か;ゲーム体系とは何か)
3 社会生活における規範とゲーム(社会生活を支える規範とゲーム;社会組織とゲーム体系;社会的行為と法体系;経済活動とゲーム体系)
付録1 規範体系論理学の規定
付録2 ゲーム体系の規定
著者等紹介
中山康雄[ナカヤマヤスオ]
1952年静岡県に生まれる。1975年京都大学理学部卒業。1987年ベルリン自由大学哲学部哲学博士(Dr.phil.)の学位取得。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろとん
1
ヴィトゲンシュタインの「言語ゲーム」、サールの「言語行為論」「社会存在論」、ハーバマスの「コミュニケーション的行為」を中心に、個人/社会の行動がある集団の中での「規範体系」=「ゲーム体系」に基づくことを明らかにしている。前半は理論的な吟味が行われ、後半では企業活動・経済活動といった現実の問題に理論を当てはめて考察するという流れ。特に、ゲームのプレーヤーは当ゲームをプレイしているときにそのルールに言及せず、ルールの中にある選択肢に沿った行動しかとらないというのは何か社会規範を考える時の鍵になると考える。2017/08/20