現代日本哲学への問い―「われわれ」とそのかなた

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  • サイズ B6判/ページ数 241p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326153992
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C3010

出版社内容情報

現代哲学として、〈同時代〉の日本の哲学を読む試み。廣松渉、大森荘蔵、永井均、高橋哲哉──彼らが問うた「他なるもの」のアポリアヘ。敬して遠ざけないために。

近代的世界観の超出を志向するマルクス主義者・廣松渉、分析哲学から独自の「立ち現われ」論を提示した大森荘蔵、一貫して唯一のこの私を追究してきた永井均、脱構築の視点から〈出来事〉に実践的に関与してきた高橋哲哉──アインシュタインやボーアの思想を研究してきた著者は、彼らを一貫して「現代哲学として」読もうと試みる。

まえがき

第1章 廣松渉を読む(1):変位と物象化
 第1節 四肢構造論の概要
 第2節 所知的構造化における変位と物象化
 第3節 四肢構造化における変位と物象化

第2章 廣松渉を読む(2):共同主観的現前を超えて
 第1節 四肢構造は現前するか
 第2節 <妥当/通用>論のパラドクス

第3章 大森荘蔵を読む:想起とそのかなた
 第1節 大森過去論の概要
 第2節 大森過去論の難点
 第3節 <亡霊>としての過去

第4章 永井均を読む:他者の語りとしての<私>論
 第1節 概観──<私>の存在
 第2節 概観──<私>の変質と他者
 第3節 他者の語りを聞く
 第4節 <私>は他者に先行するか

第5章 高橋哲哉を読む:出来事からの脱構築
 第1節 <語りえぬものの語り>のアポリア
 第2節 責任と正義──アポリア論の後景化
 第3節 犠牲のアポリア論へ



参照文献/索引 

内容説明

廣松渉、大森荘蔵、永井均、高橋哲哉―「われわれ」の現前を超える「他なるもの」への問い。アインシュタインやボーアの研究で知られる著者の本格的かつ斬新な日本哲学論。

目次

第1章 廣松渉を読む(1)変位と物象化(四肢構造論の概要;所知的構造化における変位と物象化 ほか)
第2章 廣松渉を読む(2)共同主観的現前を超えて(四肢構造は現前するか;「妥当/通用」論のパラドクス)
第3章 大森荘蔵を読む―想起とそのかなた(大森過去論の概要;大森過去論の難点 ほか)
第4章 永井均を読む―他者の語りとしての「私」論(概観―「私」の存在;概観―「私」の変質と他者 ほか)
第5章 高橋哲哉を読む―出来事からの脱構築(「語りえぬものの語り」のアポリア;責任と正義―アポリア論の後景化 ほか)

著者等紹介

勝守真[カツモリマコト]
1953年京都市生まれ。1986年、東京大学大学院理学系研究科博士課程(科学史・科学基礎論)単位取得。2005年、Vrije大学(オランダ)哲学部で博士号取得。現在、秋田大学教育文化学部准教授。専攻は科学史・科学哲学、現代哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mittsko

6
日本の哲学、人文学よ、本書のような知識構成の枠組みを常備されたし…(*´ω`*) ※ 廣松渉「共同主観性」、大森荘蔵「過去」「想起」、永井均「私」、高橋哲哉(超越的な倫理主義)、四つの哲学を個別にとりあげ、「その深部において通底する問題系」(ⅲ頁)を照らし出す一冊。そして、この問題系は直接、著者の科学哲学と同一の問題領域を作っているそうだ。すなわち、「ある種の合理性の観念を自明の前提とするような科学的思考」への違和感、「その〈ロゴス〉の支配にたいする批判」(ⅴ頁)。なるほど、そりゃそうだろう!面白い!2021/01/27

void

2
【★★★★☆】廣松渉・物象化論、大森荘蔵・過去論、永井均・<私>論、高橋哲哉・歴史論・犠牲/責任論を扱い、他者論が強めか。大森過去論批判と著者の過去論を更に進めた入不二『時間と絶対と~』には立ち入らず。 永井・高橋論しか読んでいないが、大前提として各哲学者の主張を精確に捉え明晰に説明しているだけでも価値がある。永井批判として、<私>の根源性とその他者への先行性に疑問を付す。永井ではなく他の人物が<私>であるという想定は、その「他の人物」を開闢の原理を共有する他者としてすでに見ている(批判1)。(つづく2013/07/03

じょに

1
廣松渉・大森荘蔵・永井均・高橋哲哉の哲学を、それぞれ内在的に検討して、裂け目を見い出してゆこうという内容。それぞれについて、いい具合に要約されていて、いい感じ。が、しかし、知ってるといった読後感も。2009/02/25

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