出版社内容情報
現代哲学として、〈同時代〉の日本の哲学を読む試み。廣松渉、大森荘蔵、永井均、高橋哲哉──彼らが問うた「他なるもの」のアポリアヘ。敬して遠ざけないために。
近代的世界観の超出を志向するマルクス主義者・廣松渉、分析哲学から独自の「立ち現われ」論を提示した大森荘蔵、一貫して唯一のこの私を追究してきた永井均、脱構築の視点から〈出来事〉に実践的に関与してきた高橋哲哉──アインシュタインやボーアの思想を研究してきた著者は、彼らを一貫して「現代哲学として」読もうと試みる。
まえがき
第1章 廣松渉を読む(1):変位と物象化
第1節 四肢構造論の概要
第2節 所知的構造化における変位と物象化
第3節 四肢構造化における変位と物象化
第2章 廣松渉を読む(2):共同主観的現前を超えて
第1節 四肢構造は現前するか
第2節 <妥当/通用>論のパラドクス
第3章 大森荘蔵を読む:想起とそのかなた
第1節 大森過去論の概要
第2節 大森過去論の難点
第3節 <亡霊>としての過去
第4章 永井均を読む:他者の語りとしての<私>論
第1節 概観──<私>の存在
第2節 概観──<私>の変質と他者
第3節 他者の語りを聞く
第4節 <私>は他者に先行するか
第5章 高橋哲哉を読む:出来事からの脱構築
第1節 <語りえぬものの語り>のアポリア
第2節 責任と正義──アポリア論の後景化
第3節 犠牲のアポリア論へ
注
参照文献/索引
内容説明
廣松渉、大森荘蔵、永井均、高橋哲哉―「われわれ」の現前を超える「他なるもの」への問い。アインシュタインやボーアの研究で知られる著者の本格的かつ斬新な日本哲学論。
目次
第1章 廣松渉を読む(1)変位と物象化(四肢構造論の概要;所知的構造化における変位と物象化 ほか)
第2章 廣松渉を読む(2)共同主観的現前を超えて(四肢構造は現前するか;「妥当/通用」論のパラドクス)
第3章 大森荘蔵を読む―想起とそのかなた(大森過去論の概要;大森過去論の難点 ほか)
第4章 永井均を読む―他者の語りとしての「私」論(概観―「私」の存在;概観―「私」の変質と他者 ほか)
第5章 高橋哲哉を読む―出来事からの脱構築(「語りえぬものの語り」のアポリア;責任と正義―アポリア論の後景化 ほか)
著者等紹介
勝守真[カツモリマコト]
1953年京都市生まれ。1986年、東京大学大学院理学系研究科博士課程(科学史・科学基礎論)単位取得。2005年、Vrije大学(オランダ)哲学部で博士号取得。現在、秋田大学教育文化学部准教授。専攻は科学史・科学哲学、現代哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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